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36校が統合決定、協議入り  他のほぼ全校も「検討」  国立大、文科省調べ
.[he-forum 3267] 共同通信ニュース01/24
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共同通信ニュース  2002年1月24日付

 36校が統合決定、協議入り                
 他のほぼ全校も「検討」                  
 効率化で生き残り図る                   
 飛び入学拡大か                      
 国立大、文科省調べ                    

 国立の大学短大計百一校のうち三十六校が他大学との統合を決めるか、統合
に向けた本格的な協議に入っていることが二十四日、文部科学省のアンケート
で分かった。そのほかの大学もほぼ全校が、近隣大と非公式に協議したり学内
で検討を進めている。     

 弘前、秋田、岩手の北東北三大学や群馬、埼玉両大学など県境を超えて統合
協議を始めたケースもあり、少子化で「冬の時代」を迎えた大学が、統合によ
る教育研究体制の効率化によって生き残りを目指していることが浮き彫りになっ
た。            

 北大と長岡技術科学大、広島大は高校二年修了で受験できる「飛び入学」を
検討、単位互換など大学間の緩やかな連携も増え、各大学が特色を出して受験
生にアピールする動きも広がっている。  

 アンケートは今月実施、全校が回答した。          

 大学再編の動きとしては、二十八校(十四組)が合意したほか、八校は統合
を前提に懇談会を設置。五十六校は地区協議会で協議したり、学内で検討した
りしていると回答し「当面、具体的検討はしない」などと否定的だったのは東
京外大など四校にとどまった。 

 統合問題について記述しなかったのは五校。         

 統合の組み合わせは、山梨大と山梨医大など同一県内の総合大と単科大のケー
スが多いが、岐阜大と市立岐阜薬科大のように設置形態の違いを超えて協議す
るところも出ている。         

 ただ、一方の大学の゛片思い″のケースもあり、大阪教育大は「大阪大、大
阪外大」と相手を明記したが、大阪外大と阪大は「他大学と接触」と認めただ
け。鳴門教育大は「四国教育大開校を検討」としたが、四国地方のほかの大学
は触れなかった。       

 文科省が半数以下に再編する方針を打ち出した教員養成系では、茨城、埼玉、
信州大などが「教員養成担当大学」に名乗りを上げ、生き残りを目指すことを
明確にした。             

 飛び入学は現在、千葉大と私立の名城大(名古屋市)だけが実施している。
三大学が「検討課題」としたことで、大学の個性化の流れを受けて拡大する可
能性が出てきた。            

 統合、協議入りの大学名

 文部科学省が二十四日発表したアンケートで、統合に合意、または統合を前
提に協議に入ったと回答した大学は次の通り。    

 【統合に合意】筑波大・図書館情報大▽東京商船大・東京水産大▽福井大・
福井医科大▽山梨大・山梨医科大▽静岡大・浜松医科大▽滋賀大・滋賀医科大
▽神戸大・神戸商船大▽島根大・島根医科大▽香川大・香川医科大▽高知大・
高知医科大▽九州大・九州芸術工科大▽佐賀大・佐賀医科大▽大分大・大分医
科大▽宮崎大・宮崎医科大                       

 【統合を前提に本格協議】弘前大・岩手大・秋田大▽群馬大・埼玉大▽富山
大・富山医薬大・高岡短大             

 新しい大学像必要

 金子元久東大教授(高等教育論)の話 学内でまだ議論の煮詰まっていない
大学が多いのではないか。需要が減った教員養成系学部をどんな形に変えるか
など重要な問題を棚上げして、少しだけ変えておこうというのが今の統合計画
に見える。文部科学省にも「大学はこうなるべきだ」というイメージがあるよ
うには思えず、実績づくりのために急いでいるだけではないか。今、社会が求
めているものと実際の大学との距離を埋めるには、新しい大学像を考えなけれ
ばならない。個々の大学自身がそうした自覚を持って取り組む必要がある。 
                         
 国立大の改革状況調査とは

 国立大の改革状況調査 文部科学省が国立の95大学、4大学院大学、2短
大の計101校を対象に実施した統合計画や組織、教育、研究体制の改革に関
するアンケート。文科省はこれを基に大学側から聞き取り調査する。同省は国
立大の再編・統合を促進する姿勢を打ち出しており、02年度中に全体計画を
まとめる。今回の調査は進ちょく状況を探るのが狙い。