☆大学入試センター試験 加速する「国立大再編」、受験生こう思う
.[he-forum 3252] 毎日新聞北海道夕刊01/19
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『毎日新聞』北海道夕刊 2002年1月19日付
大学入試センター試験 加速する「国立大再編」、受験生こう思う
◇「研究の幅拡大」「独自性維持を」−−受験生こう思う
文部科学省が打ち出した国立大の統廃合方針で揺れる中、19日から始まっ
た大学入試センター試験。統廃合は、道内ではまだ、具体化していないが、単
科大を中心に検討が始まっている。受験生にとっては、難関を突破して入学し
た大学が卒業までになくなったり、名前が変わる可能性もあり、関心も高い。
単科大の受験会場で、統廃合に関する受験生の意見を聞くと、賛否が大きく分
かれた。
■賛成
山口悠さん(現役、道教育大札幌校志望)は「いろいろな分野の大学が一緒
になって総合的な大学が増えることはいいことだと思う」と言う。大沢俊之さ
ん(現役、小樽商科大志望)も「大学間の競争が活発になって、学問の向上に
つながると思う」と評価する。
河合一臣さん(現役、道教育大岩見沢校志望)は「統合しても岩見沢校の精
神は残る。むしろ講義の種類が増え、学べる範囲が広がるので期待している」
と賛成する。
吉田宏さん(現役、室蘭工大志望)は「研究の幅が広がるが、(室蘭工大が)
統廃合の対象と知ったときは驚いた。不安はぬぐえないが、時代の要請なら仕
方ない」と揺れる気持ちを語った。
■反対
江川太郎さん(現役、小樽商科大志望)は「専門的な学問を学ぶ大学まで
(小中高のように)統合する必要はない。それぞれの独自性を維持してほしい。
(途中で)大学名が変わるのは困る」と述べた。
近藤はづきさん(現役、お茶の水女子大志望)は「(地方から大学がなくな
れば)地元市町村の活気がなくなる。在学生や卒業生にとっては、学校も名前
もなくなってしまうので何だかかわいそう」と反対する。
長沢有世(ありせ)さん(現役、道教育大函館校志望)は「研究はしやすく
なるのかもしれないが合格枠が狭くなる。(同校が統廃合されれば)函館の街
から若者が減って活気がなくなるし、とにかくなくならないでほしい」と言う。
山田壮太さん(浪人、北海道大志望)も「これからは地域性が重要になると
思う。例えば、生涯学習などが進み、学生以外の教育の機会が統合することに
よって失われてしまう」と語る。