☆埼玉大と統合 群大・赤岩学長に聞く
.[he-forum 3247] 上毛新聞01/20
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『上毛新聞』2002年1月20日付
埼玉大と統合 群大・赤岩学長に聞く
群馬大(本部・前橋市荒牧町、赤岩英夫学長)と埼玉大(本部・さいたま市
下大久保)が、全学的な統合に向けての公式協議に入ることが明らかになった
問題で、群馬大の赤岩学長は上毛新聞の取材に対し、「あくまで統合の可能性
を探る協議だが、本学と埼玉大は学部が大きく重ならず、『かぎ』と『かぎ穴』
があった。(統合で)名実ともに総合大学になる」と、あらためて意欲を示し
た。
総合大学同士が県域を超えて統合を目指すのは全国で初めて。十八歳人口の
減少など「冬の時代」を迎えている他の国立大学の再編の動きにも影響を与え
そうだ。赤岩学長は「統合するかしないか、まだはっきりしていない。五里霧
中」としているが、大学の競争力確保に統合は不可欠との意識も強く、近く設
置する学長懇談会などの場で積極的に協議をリードしていくとみられる。
赤岩学長との一問一答は次の通り。
―協議入りまでの経緯は。
文部科学省の「大学の構造改革の方針」(遠山プラン)で教員養成系大学、
単科大の再編統合が盛り込まれた。特に教員養成系については既定の事実となっ
てしまった。本学の教育学部だけ「またさき」になっても困り、全学連動して
できればと考えていた。
―埼玉大を“パートナー”候補に選んだのは。
再編統合はそもそも力をつけるためにやるもの。パワーアップしない統合は
意味がない。実学に強い本学にあって、向こう(埼玉大)にない学部が医学部、
社会情報学部。埼玉大は人文・社会科学系の学部が強く、理学部もある。一緒
になれば欠けているところが補える。(群馬大改革の方向性を示した)「近未
来構想」の理念である「細分化から総合化へ」にも合致し、学生にもメリット
があると考えている。距離的に近いことも大きい。
―遠山プランではトップ30大学の育成、予算の重点配分も打ち出している。
他の大学と競争できる形にしないと、予算や科学研究費などの点で研究者の
ためにもならない。そのためにもパワーアップしないといけない。
―今後の協議の行方は。
(統合の)おおよその枠が決まれば、じっくり考えながらやる。方向性が見
えれば、再編統合協議会のような、もっとしっかりした組織を立ち上げること
になるだろう。(統合後は)同じ冠(大学名)でキャンパスが分かれているイ
メージを持っている。協議は始めるが、まだ統合するかしないか決まっていな
い。あくまでも統合の可能性を探る協議。もし(統合)できれば、二〇〇五年
春ごろになるのではないか。