トップへ戻る   東職HPへ戻る
独行法反対首都圏ネットワーク

☆埼玉大学、群馬大学と統合へ−−大学長、メリットを強調 
.[he-forum 3244] 毎日新聞埼玉版01/20
---------------------------------------------------------------

『毎日新聞』埼玉版 2002年1月20日付

埼玉大学、群馬大学と統合へ−−大学長、メリットを強調

 ◇「幅広く学問領域カバー」−−埼玉大学長、メリットを強調

 再編・統合に向けて群馬大学と学長懇談会設置で合意した埼玉大学(さいた
ま市下大久保)の兵藤〓(つとむ)学長は19日、学内で会見し、「統合によ
るメリットを生かし、国際競争力を持った大学を目指す」との考えを示した。
一方、突然の統合構想に、教職員や学生、地元住民からは戸惑いの声も相次い
だ。

 ◇突然の構想、戸惑いの声も

 「幅広く学問領域をカバーし、総合大学にふさわしい研究教育体制をつくれ
る」。兵藤学長は統合のメリットを強調するとともに、「分散したキャンパス
による一体感の欠如」など課題も指摘した。両大学は今月下旬に学長、副学長
など8人による懇談会を設置。再編・統合のメリットや課題、具体的方針につ
いて意見交換を始める。加藤泰建副学長は「大学としての力量アップが目的。
統合が目的ではない」と強調した。

 埼玉大は教養、教育、経済、理、工の5学部で学生数7355人(昨年5月
現在)。群馬大は教育、社会情報、工、医の4学部で学生数5907人(同)。
互いに医、経済など網羅していない学部があるなど弱点を抱えており、18歳
人口の減少や大学改革など逆風の中で“生き残り策”を模索していた。

 埼玉大は、単独での改革と他大学との統合・再編による改革の両面で検討し
ていた。昨年12月に群馬大の赤岩英夫学長から統合を持ちかけられ、17日
の評議会で懇談会設置を了承した。

 突然の統合構想に教職員は驚いた様子。理学部教官は「残り物の大学同士が
安易に統合に飛びついたような感じ」と冷ややか。昨春、同大教養学部教授を
退官した吉田康彦・大阪経済法科大教授は「かつて名門を自負しながらなかな
か改革が進まなかった同大にとって最後の生き残り策。特に花形学部だった教
養学部は、先進的な社会情報学部をもつ群馬大と統合することで活性化が期待
される」と指摘する。

 学生の間では、「群馬は遠いというイメージしかない」(経済学部1年男
子)、「名前やキャンパスがどうなるか不安。工学部は埼玉大のほうが(入学
試験が)難しいので、それはどうなるのだろう」(工学部4年男子)、「新し
い大学のイメージがわかない。名前は埼玉大のままにして」(教養学部1年男
子)など戸惑いが相次いだ。一方、教育学部志望の男子高校生(18)は「一
緒になることで活気が出るなら歓迎。伝統は消えないだろう」と好意的に受け
止めている。

 地元の埼大通り商店街の理髪店経営、藤田陽一さん(52)は「学生は商店
街であまり金を使わないので、学生が減ってもほとんど影響はない」と無関心。
不動産会社社員(22)は「大学周辺はアパートが多いので、学生が減ると入
居者も減ってしまうのでは」と不安そうにつぶやいた。焼き鳥店経営、高井正
英さん(55)は「埼玉大の名前にあまり愛着はない。『埼群大』というのも、
時代の流れなので別にいいと思う」と話していた。