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☆新大・上教大 教育系の行方 手探りの再編統合  サバイバル <中>・ 「秋波」「静観」ペア探し 
.[he-forum 3241] 新潟日報01/18
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『新潟日報』2002年1月18日付

 ■ 新大・上教大 教育系の行方 手探りの再編統合 

 サバイバル <中>・ 「秋波」「静観」ペア探し


 「明治7(1874)年創立の師範学校からの歴史と、地域に密着してきた
実績がある」(荒川正昭・新大学長)

 「学校教育研究の拠点として、教員育成の中核的な役割を果たしたい」(大
沢健郎・上教大学長)

 再編・統合に揺れる両大学のトップは、生き残りに必死の思いだ。

 しかし現実は、両大学の思いを打ち消すかのように、1県2校の存続は極め
て難しくなっている。

□   ■

 文部科学省の教員養成系再編・統合担当、石井稔・教育大学室長は「定員1
00人の小規模な学部が多い。カウンセリングなどを教育できる充実した教員
養成を図るには、一定規模に拡大していく必要がある」と目的を強調。

「複数県で1校にしようというときに、新潟県だけ2校の存続は他県校が許さ
ない」と再編・統合を迫る。

 「再編・統合は行財政改革だ。小泉内閣はいつまで続くか」(新潟大教授)
と、政局次第では文科省の方針撤回の可能性を指摘する声もあるが、本県は
「良くて1校。新大と上教大、さらに他県校との統廃合もあり得る」(石井室
長)。両大学の受け止めは「再編・統合やむなし」だ。

□   ■
 
 新大は48ある学部・大学が半数になるとみている。再編・統合を検討する
ワーキンググループ座長で、教育人間科学部の伊藤浩史学部長は「半数であれ
ば、2校が1校になることで計算は成り立つ。2校残れない以上、県内同士の
上教大と早く手を結びたい」と上教大との統合に照準を絞っている。

 新潟大(教育人間科学部)と上教大の想定される再編・統合案

 (1)上教大が存続し、新大の教員養成機能を全面移管する
 (2)上教大が新大の教員養成機能を吸収するが、一部教員養成課程を新大に
   残す
 (3)新大が上教大を統合する形を取るが、教員養成機能をすべて上越に移し
   一本化する

 だが、1つの学部にすぎない新大に比べ、上教大は「文科省の政策大学。新
大教育学部高田分校を統合するときに、田中角栄氏らに存続を働きかけてでき
た政治的背景があり、無視できない存在」(新大関係者)。 上教大に全面統
合される危機感も漂う中、上教大を統合する一方で、学部機能を上教大に全面
移管する、名を取って実を捨てる案も浮上している。

 一方、上教大は沈黙している。

16日に会見した大沢学長は「総合大学の意向を待ちたい」と語り、隣県を含
めた他大学の出方を見守る姿勢を崩さなかった。

 全国から集まる院生と、本県をはじめ複数の隣県からも学部生が集まってい
る「県内外の中核的な存在」として、存続に強い自信を持っているためといわ
れる。

 今後、隣県大学との協議が先行すれば、新大との間で優位に協議を進めるこ
とも可能。新大が上教大との再編・統合に絞っている以上、上教大にとって、
隣県の各大学のプラン内容がかぎを握っている。