☆日本育英会 奨学生の申請が急増 県枠は既に満杯
[he-forum 3208] 大分合同新聞01/15.
---------------------------------------------------------------
『大分合同新聞』2002年1月15日付
日本育英会 奨学生の申請が急増 県枠は既に満杯
大分県内で、高校在学中に大学進学のための奨学金を日本育英会に申請する
生徒が急増、二〇〇〇年度は過去最高に達した。大分県に割り当てられている
定員枠は既に満杯状態で、同会は比較的申請が少ない他県の枠を大分県に割り
振って対応している。国の特殊法人改革で日本育英会が独立行政法人に移行す
れば、貸与条件が現在より厳しくなる可能性もあり、奨学生への道は一段と狭
くなりそうだ。
県内で高校在学中に大学進学後の奨学金を申し込む高校生の数は、一九九七
(平成九)年度までは年間三百人台で推移していた。しかし、九八年度以降、
急激に増加。九九年度に新設された有利子の奨学金制度の希望者も多く、〇〇
年度の申請者は千九百四十五人に達した。大分県の高校三年生に占める申し込
み者数は全国一となっている。申請の急増は、授業料などのアップに加えて、
長引く不況で親の所得が伸び悩んでいることが理由とみられる。
日本育英会県支部は、東京や大阪など比較的、希望者が少ない都市部の奨学
生枠を大分に割り振って対応しているが、最近は都市部でも申請者が増加して
おり、今後も他県の定員枠を利用できるかどうかは分からない。
一方、日本育英会は現在、三百億円を超える未回収金を抱えている。独立行
政法人に移行した場合、財政健全化のために定員を削減したり、貸与条件(学
業成績や親の収入など)を厳しくする可能性もある。
このため、県内の高校では「今後、申請しても採用されにくい状況になれば、
生徒には勧めにくい。他の奨学金制度も視野に入れなければならない」(別府
鶴見丘高校)との声も聞かれ始めている。
しかし、日本育英会県支部によると、県内の公的機関が実施する奨学金制度
で、高校三年時に内定がもらえるのは県奨学会だけ。日本育英会に申し込みが
集中するのは、大学受験前に内定が決まり、保護者や子どもが安心して進路を
決めることができるためといわれる。
同会県支部の寺下楢一事務長は「独立行政法人化に向けた具体的な対応策は
何も聞いていないが、大分は全国的にも申請が多く、影響が大きい。本当に困っ
ている生徒をできるだけ多く助けることができる方向に進めてほしい」と話し
ている。