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独行法反対首都圏ネットワーク

☆大学改革・大学評価シンポジウム−名古屋大 
[he-forum 3207] 毎日新聞愛知版01/13.
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『毎日新聞』愛知版  2002年1月13日付

大学改革・大学評価シンポジウム−名古屋大

 ◇「行方」問い200人参加 松尾学長問題提起「グランドデザインない」

 「大学改革・大学評価に関する国際シンポジウム」がこのほど、名古屋市千
種区の名古屋大シンポジオンホールで開かれ、世界各国で進められている大学
改革の違いが報告された。国立大の独立行政法人化が04年に予定される中で、
改革の行方を問う狙い。研究者ら約200人が参加した。

 初めに、日本の大学改革の流れと特徴について松尾稔学長が講演。「わが国
では21世紀を見据えたグランドデザインがない。改革には評価を伴うが、現
在は学内外に6種もの評価機関がある一方、評価基準は不明確だ」などと問題
提起した。

 続いて、ロンドン大のロバート・コウエン教授(比較教育学)が英国の場合
を報告。「サッチャー政権の民営化改革に伴い、大学にも“効率性”が求めら
れた。大学は、授業や研究などで細かい政府の評価を受け、予算配分も評価次
第。活動は画一的になり、評価や管理の官僚組織が肥大化している」と批判し
た。

 米国のケースについて、米ラトガース大のノブオ・シマハラ名誉教授が説明。
「国の補助金削減で、各大学は民間助成獲得が年々迫られている。教員には同
業者の厳しい審査があり、研究重点大学でも、教員の仕事は研究30%、教育
52%、大学運営などの奉仕的活動17%と、研究に割く時間は少ない」と述
べた。

 最後に、急速に改革が進む韓国の現状を名大の馬越徹教授が報告。「重点分
野ごとに、比較指標となる海外の大学を決めて改革度をチェック。地域単位で
大学の統廃合も進む。政府が予算を大胆に重点供与、国公私立一律の制度とい
う点もユニーク」と話した。【山田大輔】