☆「単独存続」を歓迎 帯畜大・鈴木学長方針
. [he-forum 3183] 十勝毎日新聞01/09
---------------------------------------------------------------
『十勝毎日新聞』2002年1月9日付
「単独存続」を歓迎
帯畜大・鈴木学長方針
整備拡充期成会
支援と活用検討
国立大の再編統合で帯広畜産大学の鈴木直義新学長が示した単独存続の方針
に関し、同大学整備拡充促進期成会(会長・砂川敏文市長)は好意的に受け止
めている。近く会長と学長との協議を畜大に申し入れ、正式に学長の意向を確
認する方針だが、大学存続の将来方向に関し畜大側の考え方を十分尊重する形
で今後、地域として最大限の支援と活用を模索する方向で検討に入った。(2
面に関連記事)
鈴木学長が8日の就任記者会見で大学の再編統合問題に関して「当面は大学
の特色を生かした独自の生き残り策を模索する」と述べたことに関して、畜産
大期成会事務局では「酪農畜産の農業王国・十勝にとって鈴木新学長の考え方
はありがたく、力強いもの」(市企画部)と歓迎している。
期成会では早ければ今月中にも申し入れる会長と学長の面談で「地域として
も大学存続のための知恵を出し合い、畜大に対してどんな支援が可能か、酪農・
畜産の農業分野で考えられる活用方法は何か、大学の考え方を最大限に踏まえ、
これからの畜大の在り方について、ざっくばらんに意見交換できるようにした
い」(事務局)との意向を伝え、地域と大学が同じテーブルで話し合う機会を
検討する。
文部科学省が推進する大学構造改革の方針(遠山プラン)をめぐっては今月
29日に控える同省ヒアリングでも同学長は単独存続の方針を伝える見通し。同
期成会は昨年11月に「この地で大学の教育・研究機能を一層充実する」ことを
目的に、整備と拡充を同大や同省に要望してきた。(児玉匡史)
「食の安全性を確保」
帯畜大の鈴木新学長が会見
地域と連携強化
帯広畜産大学の第11代学長に着任した鈴木直義氏(70)が、8日午後4時か
ら同大で就任記者会見を行った。(岩城由彦)
鈴木新学長は、大学の単独存続を掲げていることについて「動物性食品の安
全性を確保する緊急課題に学部教育、大学院、全国共同利用施設が一体となっ
て対処できるのは帯広だけ」と説明。「畜大には食の安全性確保で日本を代表
する先生がいる。畜産・酪農業者を学問的に支援し、世の中のニーズにこたえ
れば、われわれは存続できるだろう」と述べた。
自助努力の柱となる獣医学科の拡充をめぐっては、自らが設立に携わって初
代センター長を務めた全国共同利用施設の原虫病研究センターの活用を明言。
「学部教育の一部を負担し、学内だけで東大、北大と並ぶ教官補充率に持って
いきたい。食の専門家の養成では国際協力も十分考える」と示した。
また、地域との教育・研究協力について「農業試験場などと連携を取って学
生教育に協力してもらう。病気の原因究明や食の安全性確保には、地方の獣医
や専門家との情報交換が重要。畜産に関する総合的なインフォメーションのネッ
トワークをつくりたい」とした。