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国立大の統合加速 本紙アンケート   「合意」「検討」7割   現在99校 将来、70校前後に
[he-forum 3172] 産経新聞01/06
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『産経新聞』2002年1月6日付

■国立大の統合加速 本紙アンケート

 「合意」「検討」7割
現在99校 将来、70校前後に


 全国の国立大学の三割以上が、他大学との再編統合に合意または合意予定で
あることが五日までに産経新聞社が実施したアンケート調査で分かった。「再
編統合を模索」の大学も含めると七割以上に上り、国立大学は近い将来、現在
の九十九校から七十校前後に大幅削減される見通し。大学改革の流れは今年か
ら一気に加速しそうな勢いだ。

 調査は昨年末、全国の国立四年制大学と大学院大学計九十九校を対象に実施。
学長の回答を原則とし、すべての大学から回答を得た。

 それによると、他大学との再編統合に合意したのは島根大と島根医大、東京
商船大と東京水産大など十八校。「具体的な相手と話し合いを進めている」の
も滋賀大と滋賀医大、高知大と高知医大など十六校に上った。

 このほか大半の大学で「学内で検討している」「可能性を検討したい」と回
答しており、「統合するつもりはない」としたのは東京大や京都大など十四校
にとどまった。

 一方、再編統合後の大学像を不安視する声も寄せられた。文部科学省が進め
る「再編統合による国立大学の大幅削減」の方針に「賛成」と回答したのは三
十九校で、過半数の大学が「賛成とも反対ともいえない」と態度を保留。「理
念が感じられない」「地域の実情を踏まえるべきだ」などの懸念が目立った。

 国公私立を問わず評価の高い大学(博士課程レベル対象)に予算を重点配分す
る「トップ30」構想にも賛成三十一校、反対二十三校と分かれ、四十五校が態
度を保留。「文系分野に不利」「大学間格差が拡大する」などの批判が多かっ
た。

 このほか学力低下については六割以上にあたる六十三校が「学力低下を感じ
る」と回答。「ゆとり教育の弊害」「受験科目減らしすぎ」「成人が幼児化し
ている」など厳しい意見が相次いだ。

 文部科学省では「大学(国立大学)の構造改革の方針」を打ち出しているが、
これとは別に三十七校が独自の改革を「実施」、五十六校が「検討中」と回答。
「学外者の運営参画」(名古屋工大)▽「学生による授業評価」(鳥取大)▽「教
員の任期制導入」(九州芸術工科大)−など積極的な取り組みが目立つ。

 文部科学省では「個性輝く大学づくりに向け、引き続き教育研究の質を高め
るような改革に努めてほしい」としている。

≪統合再編に合意または合意予定の大学≫

【今年10月に統合】

◎筑波大−図書館情報大

◎山梨大−山梨医大

【来年度にも統合】

◎東京商船大−東京水産大

〇神戸大−神戸商船大

◎香川大−香川医大

◎九州大−九州芸術工科大

〇佐賀大−佐賀医大

◎大分大−大分医大

◎宮崎大−宮崎医大

【近い将来に統合】

◎福井大−福井医大

◎島根大−島根医大

〇富山大−富山医科薬科大

〇静岡大−浜松医大

〇滋賀大−滋賀医大

〇高知大−高知医大

 ◎=合意、〇=合意に向け協議中。富山大−富山医科薬科大は高岡短大とも
統合協議。ほかに北見工大、三重大、大阪大、大阪教育大が「具体的な相手と
協議中」と回答