☆<日本育英会>条件満たしても貸与されず 全国で1000人超す
. .[he-forum 3169] 毎日新聞01/05-
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『毎日新聞』2002年1月5日付
<日本育英会>条件満たしても貸与されず 全国で1000人超す
日本育英会(東京都新宿区)が、中学3年生が家庭の経済的な不安を抱えず
に受験できるように、高校授業料の無利子貸与を事前に約束する「予約奨学生
制度」で、所得基準を満たしながら貸与されない申請者が全国で1053人出
たことが分かった。昨年度までは基準を満たす全員に貸与されていた。不況で
申請者が増えたのに、採用数が削減されたのが原因。ほとんどの自治体に独自
の奨学金制度がなく、各教育委員会は「経済的な不安を抱えたまま受験に臨ん
でもらうしかない」と悩んでいる。
「予約奨学生制度」の対象となるのは、給与所得世帯は年収779万円以下、
自営業など給与所得以外の世帯は322万円以下。学力基準も設けているが、
事実上、校長の推薦を受ければ申請できた。
昨年度は所得条件を満たした申請者1万5243人全員が採用されたが、今
年度は1万5798人のうち1053人(大阪府273人、福岡県61人、北
海道57人、青森県50人、広島県44人など)が不採用に。日本育英会の各
都道府県支部は、所得や学力などを加味した総合評価が低い順に不採用にした。
独自の奨学金制度も持つ大阪府は、不採用者を救済する方針。青森県など独
自制度を持たない多くの自治体の支部は、進学後に申請する「在学奨学生制度」
への申し込みを指導している。しかし、この「在学奨学生制度」への申請者の
不採用者も相次いでおり、同制度の今春の募集で100人以上が不採用になっ
た広島県支部は「進学後に必ず奨学金がもらえる保証はできない」と話す。
日本育英会本部は「特殊法人改革や予算抑制などの方針で、採用数が昨年よ
り3・4%減った。やむをえない措置だ」と説明している。 【大場弘行】