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独行法反対首都圏ネットワーク

☆ BS-Debate 2  大学改革−法人化 
.[reform:03927] BS-Debate 2  大学改革−法人化up12/11.-

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reform の皆様

 BSdebateの第二が行われ、石(一橋大学学長)と、田中(鹿児島大学学長)
がそれぞれ、独法に賛成、反対の立場でゲストとして招かれ、小1時間にわたって
議論をしました。

  石氏は、大学が現在より自由になって、しかも全てが努力をするようになるから
競争は悪くない。このようなconceptで持ち込まれる独法は大学を良くする。未来は
国立大学にとって明るい、という主張に終始しました。
  関連して、授業料は高くなることばかり心配しないで、下がる可能性を指摘、
潰れる大学はない、全ての大学がそれなりにガンバルようになるから、生き残りは
全て大丈夫であるとも発言。

  これに対して田中氏は、既に公表されている中期目標のイメージに見られる様に
独法化になれば、文部科学省の関与が研究の内容にまでわたり、とても国立大学が
省庁の枠から放たれ自由になる(番組ではこのような紹介が図入りでされていた)もの
ではないと反論。その懸念は目標設定の委員会での議論の経験からも明らかであると
いう発言でした。
  経営が主体になり、経営の法人長も考えられている程であるから、企業感覚の
環境での競争の中で、地方の弱体大学は、現在でもギリギリのところで、潰れるもの
も出てくる可能性は高いと反論。

  田中学長の懸念に対して、石学長は、「田中さんは悲観的なものの見方ばかりす る、
独法はやってみないと解らない、悪い面だけを見ないようにした方が良い」という
中間まとめにあるような条文を、知って過知らずか、先の見通しはバラ色という現実を
無視した発言に終始し、これが国立大学の学長なのかと首を傾げるような場面が多く
ありました。
 
  番組では、英語を使って企業に直接役立つ授業が放送されていましたが、この様な
企業に直結する大学の授業は、経済系の大学では大変考えやすいと思われます。
  一方、農学・理学の様な自然科学の研究教育を、石氏がどこまで理解しているのか
見ていて大変心配になりました。自然科学の息の長い、個人を超越して、延々と時代に
わたって法則が引き継がれ、積み上げられる様な学問の世界(必ずしも企業に直結する
ものばかりではない)が、石氏には想像できないのかも知れないと感じました。さらに
競争という言葉の石氏の軽い解釈も気になりました。

  今日も再放送があると思います。録画する予定。
 

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               渡辺 勇一 Yuichi G. Watanabe

        〒950-2181   新潟市五十嵐二の町 8050
                              新潟大学 理学部 生物学科
              E-Mail: watayu@sc.niigata-u.ac.jp
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