☆研究成果を県内の中小企業の経営に生かす
[he-forum 3134] 朝日新聞三重版12/18.
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『朝日新聞』三重版 2001年12月18日付
研究成果を県内の中小企業の経営に生かす
三重大の教官らが一人5万円を出資し、研究成果を県内の中小企業に橋渡し
する技術移転機関「(株)三重TLO」を来年1月下旬に設立する。特許取得
費用などを援助し、実用化をはかる。04年度にも国立大が独立法人化される
のを前に、同大の業績をアピールするねらいもある。
2月から産学連携コーディネーターを置き、準備している。県内の私大や鈴
鹿高専、県の研究機関「科学技術振興センター」も参加してもらい、最終的に
約200人の研究者らが出資する予定だ。県内企業にも会費として1口5万円
ずつはらってもらい、2、3千万円を集め、運営費とする。
TLOは「テクノロジー・ライセンシング・オーガニゼーション」の略。大
学や研究機関の研究成果の特許を取り、製品開発する企業に紹介、使用料を得
る。米国で新産業創出の原動力になったとされる。日本でも98年、地域振興
などをねらって大学等技術移転促進法が施行され、広まった。全国で24カ所
設立されている。
三重大が設立を進める理由の一つは「大学の生き残りのため」(柏村直樹・
同大地域共同研究センター所長)だ。
文部科学省は今年6月、「大学の構造改革の方針」を公表。国公私立を問わ
ず大学院のある大学を対象に10分野でそれぞれ上位30校に予算を重点配分
する計画という。
三重大としても組織的に特許を取り、産学連携の実績を上げる態勢を整える
ことで国にアピールし、予算獲得に役立てるねらいだ。
設立に先立ち、1月11日には三重大地域共同研究センターなどの主催で大
学、高専、県側がシーズ(種=研究成果)を提示し、県内の産業界からニーズ
を聞く「2002みえ研究開発シーズ・ニーズ新春交流会」を津市羽所町のア
スト津で開く。午前9時〜午後8時半。参加無料。「バイオテクノロジーとラ
イフサイエンス」など3分科会、懇親交流会など。問い合わせは同センター
(059・231・9070)へ。