トップへ戻る   東職HPへ戻る
独行法反対首都圏ネットワーク

☆大学改革:「教養教育重点大学」を 中央教育審議会答申案で 
.[he-forum 3080] 毎日新聞12/16-
---------------------------------------------------------------

『毎日新聞』2001年12月16日付

大学改革:「教養教育重点大学」を 中央教育審議会答申案で

 今後の教養教育のあり方を検討してきた中央教育審議会は16日までに、大
学での教養教育を再構築するため「教養教育重点大学」を指定し、国が支援す
ることなどを求める最終答申案をまとめた。専門教育を重視してきた学部に、
幅広い教養教育を施すよう転換を促す内容だ。答申案は「教養教育の充実は不
可避で、質の高い教育ができない大学は淘汰(とうた)される」と厳しい文言
で警告しており、各大学は教育内容の見直しを迫られそうだ。

 91年に大学設置基準が緩和され、授業科目の区分や単位数が大学の自主性
に委ねられた。専門教育を重視してきた各大学はこれに伴い、教養カリキュラ
ムを削減したり、教養部を廃止したため、教養教育が衰退したとされる。

 答申案は急激な社会変化に対応できる人材を育成するため、理系・文系といっ
た「縦割り」を排し、教養教育で専門分野の枠を超えて共通に求められる知識
や思考法を構築するよう求めた。

 そのために他校の模範になるような大学を「教養教育重点大学」として選び、
思い切った支援を行うよう提言。教養教育の授業内容や指導方法を研究する教
員グループには「科学研究費補助金」を支給する一方、学生に和漢洋の古典の
読破を奨励したり、緊張感を保つため高校のように授業を50分間にすること
も求めている。

 入試では、受験生が高校までに培った体験や大学で学ぶ目的意識を評価する
よう要請。事前に指定した課題図書を読ませて論文試験を行ったり、討論させ
ることなども有効だとしている。 【澤圭一郎】