☆秋田大が改革基本構想
. [he-forum 3034] 朝日新聞秋田版12/03-up12/9.-
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『朝日新聞』秋田版 2001年12月3日付
秋田大が改革基本構想
諮問会議報告 テーマ「環境」「共生」
国立大学数の大幅削減を打ち出した文部科学省の「大学の構造改革の方針」
を受け、秋田大学(秋田市、三浦亮学長)が生き残りをかけた改革案の作成を
急いでいる。同大はその基本構想の骨子を2日、秋田市内のホテルで開かれた
大学運営諮問会議で報告し、委員らと意見交換した。他の教育機関や産業界と
の「連携」による生き残りを強調する大学側に対し、委員からは「特徴がなけ
れば存在意義が弱まる」など、「独自性」を強調すべきとの意見が寄せられた。
人材育成「特別教育コース」
単位互換制/教官任期制
三浦学長は、社会に向けて積極的に働きかけるという意味で、改革のテーマ
を「『環境』と『共生』」とした上で、その骨子を披露。学部間の連携や県内
外の教育機関との協力、産学官での連携を強めるなどという基本的方向を示し
た。
具体策として
▽学部の枠を越えた人材育成を目指す「特別教育コース」の創設
▽県内の高等教育機関との単位互換制度
▽教官の任期制の導入
▽北東北国立3大学で共同利用できる教育施設の設置、などを明らかにした。
大学側の構想に対し、委員からは具体的な注文がついた。秋田商工会議所の
辻兵吉会頭は「秋大の前身は鉱山専門学校。鉱学に関しては優れた歴史と技術
がある。その特徴を生かした研究や、実際のビジネスへのアドバイスをしてい
くべきだ。環日本海という視点でみれば、北東アジアには国際ビジネスとして
のチャンスがある」と発言。
ほかにも「秋大が県内の大学のリーダーシップをとり、大学全体での地域へ
の貢献を引っ張ってほしい」「現場実習や企業実習をしたい、などの学生の意
見にも耳を傾けるべきだ」「『連携』も大事だが、秋大の特徴がなくなければ
存在意義が弱まる」などといった意見が出た。
連携は模索するものの、三浦学長は北東北3県の国立大との統合構想につい
ては「距離が遠いこともあり、厳しい」と慎重姿勢を示し、会議終了後には
「現時点では考えていない」と述べた。
また、大学側は来年度予算の概算要求で、文科省に、副学長2人の設置、大
学院工学資源学研究科の創設、教育学研究科内に心理教育実践専修の新設、医
療技術短大の4年制移行が認められたことを報告した。