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独行法反対首都圏ネットワーク

☆[記者ノート]大学改革、地方の声忘れずに 
. 『毎日新聞』2001年12月3日付up12/4.-

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『毎日新聞』2001年12月3日付

[記者ノート]大学改革、地方の声忘れずに

 「一番気に入らないのは、文部科学省が『すでにいくつかの大学で動きがあ
るから』って、責任をこちらに押し付けてることなんだ」。国立大学の統合・
再編問題を取材中、九州のある学長が漏らした。

 国は6月、「大学の構造改革の方針(遠山プラン)」で、国立大学の数を大
幅に削減する方針を打ち出した。文科省は表向きは「あくまで教育・研究の充
実が主眼。単に数を減らすのが目的ではない」というが、各大学には「県内に
一つしか国立大がないからといって、安心してもらっては困る」などと“脅し
文句”を突きつけている。

 「われわれは1県1国立大を守りたい」。宮崎大の二神光次・前学長(11
月末で退職)は在任中、話していた。宮崎県は県民1人当たりの所得が全国4
5位。奨学金の申請者も他大学より多い。

 「近くに国立の総合大学があるということが、どれだけ地元の高校生の励み
になっているか。国際競争と言うが、地方大学はこういう役割も担っているん
だということが、中央の官僚には分かっていない」

 大学改革は必要だ。だが、ハンディキャップを抱える地方の声も忘れてほし
くない。【西川拓】