よみうり教育メール 2001年11月30日付
◆千葉大学長が大学構造改革方針に対して基本的考え(千葉)
千葉大学(千葉市稲毛区)の磯野可一学長は二十九日までに、小泉内閣が進める構造改革の一環として文部科学省が打ち出した「大学の構造改革の方針」に対する基本的考え方を明らかにした。磯野学長は「大学が改革に向けて進んでいくために、まず内部の基盤固めが必要」との認識を示し、特に大学院博士課程では「世界最高の教育・研究水準を目指す」など、総合大学・大学院として教育・研究の充実に力を入れていく姿勢を強調した。
同省の方針では、大学・学部の再編・統廃合や大学数の大幅削減も打ち出しているが、磯野学長は「(他大学との)合併は考えていない」と明言。教員養成系大学・学部や付属校の削減・統廃合についても、千葉大の教育学部と付属小中学校は「生徒数が多く、必要とされている」として現状維持を目指す考え。
この基本的な考え方に基づいて、現在、学部ごとに検討が重ねられており、来年一月末までに大学としての方針をまとめる予定だ。
磯野学長によると、基本的な考え方は、<1>新しい大学院教育を目指した総合大学<2>学外の教育・研究機関、地域との密接な連携<3>教育・研究環境の整備――の三本柱。大学院の修士課程では、専門的な職業人を養成することを目指し、まず来年度には「看護システム管理学」の教育施設として、柏市内に「(仮称)環境健康科学センター」を新設する。地域との連携では、「もし独立行政法人化になれば、国の援助は頼れなくなり、地域との協力を得なければならない」との認識から、産官学の連携をさらに強化していく。