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独行法反対首都圏ネットワーク

☆「産学官連携サミット」に300人が参加 
.[he-forum 2983] 薬事日報11/26up11/27-
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『薬事日報』  2001年11月26日付

「産学官連携サミット」に300人が参加

「共同宣言」を採択

 産学官のトップ300人余が一堂に会し、「第1回産学官連携サミット」が
内閣府、経済団体連合会、日本学術会議の主催により、19日に東京千代田区
の経団連会館で開かれた。産業界と大学が緊密に連携し、技術革新や新産業創
出を促すための方策を各界のトップが意見交換し、相互理解を深め、実践につ
なげることで日本経済の国際競争力や地域経済、産業の強化につなげたい考え。
この日の協議の成果は「共同宣言」として採択され、今後、産学官連携を飛躍
的に進展させる方向で一致した。サミットは年に1回程度開催される予定。

 サミットの冒頭、あいさつに立った尾身幸次科学技術政策担当大臣は、昨今、
日本では産業の空洞化現象が進んでいることに懸念を示したうえで、経済競争
力を強化するために科学技術の振興を進める必要性があると強調した。

 市場では、従来の海外から技術導入し、改良し優れた製品を作り外貨を稼ぎ、
設備投資する「キャッチアップの時代」から、道なきところに道を作る「フロ
ントランナーの時代」へと、産業の構造転換が進んでいるとし、他国に先行す
る新技術の開発を進めていくには、「大学の頭脳を産業の発展に使い、大学も
産業界のニーズを把握したうえで基礎研究を進める方に大きく舵を切らないと
いけない」と述べた。

 尾身大臣は産学官連携の現状についても触れ、「極めて非弾力的な国立大学
中心の研究体制で組織としての産学官連携が進んでいない。それが企業との結
びつきが弱い部分で、障害になっている」と批判した。今後は、(1)産学間で
の人材交流の促進(2)国立大学の独立行政法人化に際しての非公務員型(3)私立
大学の潜在的能力の活用(4)不適切な行政の管理の除去(5)地域における科学技
術振興(大学発バイオベンチャー)――などを推進する必要性を指摘した。

 これを受け、産業界の代表としてあいさつに立った今井敬経団連会長は、双
方にメリットのある産官学連携を目指し、(1)大学における自由度の拡大(非
公務員型法人への移行を含む)(2)大学等と企業が相互に信頼し合う関係の構
築(同サミットの重要性)(3)研究部門の努力だけでなく、企業のトップが産
官学連携の強化に向けた強い意思を持つこと――などを挙げ、企業と大学双方
に対応を求めた。

 この日、採択された共同宣言の要旨は次の通り。
 ◆産のイニシアチブ
 ・研究開発の自前主義から脱却し、知的ポテンシャルの積極的活用による新
技術・サービスを創出する
 ・企業トップが大学等との連携を経営戦略上明確に位置づけ、研究開発面の
連携、人材交流を図る
 ◆学のイニシアチブ
 ・国立大学の非公務員型法人に移行することを目指す
 ◆官のイニシアチブ
 ・産学双方の活発な相互連携を促進するため制度改革を積極的に進める
 ・大学発ベンチャーの育成や地域の科学技術振興を行う
 ◆サミットの定期的な開催