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独行法反対首都圏ネットワーク

☆国立大 教育学部再編 戸惑い続出 
. [he-forum 2946] 読売新聞中部版11/23.-

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『読売新聞』中部版  2001年11月23日付

国立大 教育学部再編 戸惑い続出
 
 ◆教員の質向上、難しい…
 ◆総合大の方がいいのに…

 文部科学省の有識者懇談会が二十二日、打ち出した国立の教員養成系大・学
部の大幅削減案。同省は「統廃合しなければ未来はない」と、各大学に年内に
も決断するよう迫っているが、地域の教育界とも関係が深いだけに、大学や地
域からは戸惑いの声が上がっている。

 「県域を超えて再編するのは学生や教員の負担」「教職員の異動、生活保障
はどうなる」。今月十五日に開かれた同省と国立大学長との懇談会では、懸念
の声が相次いだ。学長らの間では「入学定員二百人以下の学部は残れない」と
のうわさも飛び交い、相当数の県から教育学部が消えるのは必至の情勢だ。

 教員養成系の定員が百人と東海三県ではもっとも少ない三重大。同大の菅原
庸副学長は「学部の規模は数合わせではない。地域の教員をどう育成していく
かという課題もある」と困惑気味だ。三重県は、同大と連携して現職教員研修
やカウンセリング体制を整えたばかりで、中林正彦・県教育長は「大学なくし
て三重県の教員のレベルアップを図っていくのには限界がある」と言う。

 岐阜大(教員養成定員二百十五人)では、三年前から、大学と飛騨地区をテ
レビ会議システムで結んだ現役教師向けの遠隔地教育を進めてきた。同大の佐々
木嘉三・教育学部長は「総合大学のなかの教育学部で学ぶ方が、いろいろな人
と触れ合える」と不満を漏らす。愛知教育大は教員養成定員四百八十人に、教
員養成を目的としない新課程の定員三百九十五人も抱える。同大のある教官は
「隣の大学に『教員養成課程をよこせ』と言えない。プランが浮かんでは消え
ている」と言う。