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☆北大水産学部と道教育大函館校の維持存続の運動方針を決定 
.[he-forum 2929] 函館電子新聞11/21-up11/22-
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函館電子新聞  2001年11月21日付

北大水産学部と道教育大函館校の維持存続の運動方針を決定

まず翌22日に両大学と道に対して要望・陳情し、渡島・桧山の全市町村・12月
議会に対して要望書の提出・議決を要請、また1月にはフォーラムを開催

〜南北海道高等教育機関整備促進期成会・緊急総会開く〜

 北大水産学部と道教育大函館校の存続問題の、今後の活動を協議する平成13
年度南北海道高等教育機関整備促進期成会(会長・井上博司函館市長)の総会
が、21日午後1時からホテル函館ロイヤルで開かれ、両国立大学の維持存続の
ため、22日に井上会長はじめ、沼崎弥太郎(函館商工会議所副会頭)、水嶋清
(渡島町村会長)両副会長、岩谷正信(函館市議会議長)、坂本喜達(渡島町
村議会議長副会長、砂原町議会議長)、三田村光信(桧山支庁管内町村議会議
長副会長、江差町議会議長)の3理事、北原善通委員(函館市議会総務常任委
員長)の7氏が札幌で北大総長、道教育大学長、それに道知事に対して維持存
続の要望書をもって陳情することを決めた。

 また、渡島・桧山の全町村議会に対してこの12月各議会で存続に向けての意
見書の提出、決議を求めること、年明け1月にこの問題のフォーラムの開催、
さらには今後適時適切に存続運動を展開して行くことも合わせて決定した。

  ◇   ◇   ◇

 急きょ持たれた総会では、まず井上会長があいさつし、「今年6月に出され
た国立大学の構造改革の方針によって、当地の国立大学である北大水産学部と
道教育大函館校についても、学部間の再編・統合、学部のあり方が検討され、
先般(10月10日)、北大の総長、道教育大学長と情報交換し、要望した際にお
いてもきびしいものがあった。両国立大学の維持存続は南北海道にとって極め
て重大な問題であり、地域が一丸となって取り組む必要がある」と語った。

 平成12年度の事業報告、同年度収支決算についての報告の後、13年度の事業
計画案、収支予算案を全会一致で了承。引き続いて、同期成会事務局長の西尾
正範函館市企画部長から国立大学改革・遠山プランの概要はじめ、北大水産学
部と道教育大函館校の問題に対するこの1年間の地域としての取り組み、要望
活動、さらには両大学の動向、等々の説明があり、そのうえで前記、維持存続
のための今後の要望活動方針が示され、これを協議し、了承した。

 この間、協議の中では、

 「国はこの国立大学の構造改革に従えないなら地方でどうにかしろというこ
とだろうが、人材を育成することなくして地方の発展はないわけで、国に対し
ても要望を伝えることが必要だ。基本的に政府に向かって言うべきことを言う
ということであり、それと、この問題では渡島、桧山全体、地域が一丸となる
ことが必要。それには中心の函館市がより積極的になり、この問題に対する情
報公開が欠かせない。この点、具体的な情報が少ないのでないか」(岩谷正信
理事)

 「また、単に残せということだけでは立ち行かない。地域的、地理的な位置
づけも必要。特徴的なことをどんどん前面に出しながらの運動が求められる」
(同理事)

 「町村各議会で維持存続の要望を決議してもらうということだが、要望する
相手、機関がどこなのか今ひとつはっきりしない」(三田村光信理事)

 「両国立大学(学部、分校)が函館に置かれた歴史の重要な点をもっと要望
に記すべきだし、函館・道南の環境の良さ、住み易いところなど地域性を十分
に踏まえての運動が必要」(北原善通委員)

 などの意見も出され、これに対して、

 「大学は行政機関から独立した形になっているので、大学と信頼関係を強め、
連携を持ちながら進めて行きたい。マスコミ報道されているが、情報が地域全
体に伝わっていないという温度差があり、各町村の12議会に向けて一致して意
見書を出していただくよう働きかけて行きようにしたい。全力を上げて取り組
む」(事務局・西尾市企画部長)

 「市町村から意見書を決議してもらい、これを両大学に要望する。それには
維持存続に道南全体がまとまってこうだというように、渡島・桧山の全市町村
が足並みを揃えるということが大事で、さらには地域全体としてこうであると
いうことで道にも要請するということだ。このためにも、本日は地元選出道議
の先生にもお集まりいただいた」(会長・井上函館市長)

 との返答があった。

 この日の総会には、会長以下、24人の役員・委員と道議5人、鉢呂吉雄、金
田誠一両衆院議員(秘書)、泉渡島支庁長らも出席した。

 なお、提出の資料をもとに、函館・道南における大学の入学状況等の説明も
あり、▽大学・短大の収容率/全道平均37.1%に対して、道南は22.4%、道央
は50.6%▽大学・短大の進学率/全道平均30.8%に対して、道南は22.2%、道
央は35.3% といずれも極めて低いことが示された。

 しかしながら一方で、現在の北大水産学部の学生数は657人、教員数90人、
職員数94人で、計841人。道教育大函館校の学生数は1,297人、教員数
95人、職員数57人で、計1,449人。両大学合計2,290人で、人口問題
という意味合いでも影響は大きいとの説明があった。