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知事と3大学に中間提言 県の国立大改革懇  
.[he-forum 2923] 北日本新聞11/20-up11/21-
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『北日本新聞』2001年11月20日付

 知事と3大学に中間提言 県の国立大改革懇 

 富山大、富山医薬大、高岡短大の再編統合問題で、県内各界の有識者が提言
する「国立大学の改革等に関する懇談会」の南日康夫会長が十九日、県庁と三
大学を訪れ、地域や環日本海の「交流と貢献」を基本理念にした中間提言案を、
中沖知事や各学長らに提出した。

 中沖知事に提言案を手渡した南日会長は「再編統合について今回の提言案を
基に知事の意見が十分に反映したものになるよう要望している」とあいさつ。
知事は「この提言案を各国立大でも十分に検討しながら改革再編に取り組んで
もらいたい」と話した。

 三大学を回った南日会長から提言案を受け取った学長らは、「時間はあまり
ないが、平成十五年度の概算要求に向け精いっぱい頑張りたい」(風巻紀彦富
山大副学長)、「内容を早急に学内で検討したい」(高久晃富山医薬大学長)、
「新大学でも地域のニーズにこたえ、広い意味での教育機能を重視する」(蝋
山昌一高岡短大学長)と答えた。

 提言案では現在の施設やキャンパスを活用しながら、「地域に根ざした環日
本海指向の知的センター」として交流の拠点となり、地域の飛躍、発展に寄与
することを基本理念にした大学づくりを要望。さらに▽明確な理念のもと、
「人づくり」の拠点となる大学▽「オンリー・ワン」の研究により、世界に誇
れる大学▽地域に根ざし、変革を進める大学−の三つの観点で教育や研究、運
営を行い、基本理念を推進するよう求めている。

 文部科学省が六月に打ち出した「大学(国立大学)の構造改革の方針」(遠
山プラン)に基づいて、現在全国で大学の再編統合が進められている中、中沖
知事は今後、全国の都道府県の中では初めて、同省に県としての提言を伝える。

 同懇談会は、県内国立三大学の再編統合論議に県民の考えも反映してもらお
うと、県が十二日に初会合を開き発足させた。正橋富山市長、山田圭蔵北陸経
済連合会長、塩井外喜子県婦人会長ら各界の代表者二十八人が委員を務める。

         ◇

 富山大、富山医薬大、高岡短大の再編統合問題で三大学で唯一、再編統合方
針を機関決定していない富山医薬大は十九日開いた臨時評議会で、新大学実現
に向け、まず富山大と大学院改革について協議に入ることを了承した。同問題
では、自然科学系分野で富山大と富山医薬大、人文社会学系で富山大と高岡短
大が意見交換し、新大学の構想を練るとしている。十六日に初会合を開いた富
山大と高岡短大に続き、富山大と富山医薬大も協議を始める態勢が整った。

 再編統合方針については、富山大と高岡短大が九月上旬に了承。富山医薬大
は「再編統合後の新大学の姿が見えない」などと慎重論があり、機関決定に至っ
ていない。だが、三大学幹部の当初の目標通り、平成十五年度に新大学をスター
トさせるには、年内に新大学の概略をまとめる必要があり、学内で合意を得ら
れる部分から段階的に協議していくことを決めた。

 高久晃学長は「『トップ30』の受け皿となる大学院の構想は、今年中に固
めたい。二大学での協議は、(三大学での)再編統合の一里塚だ」と述べた。