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独行法反対首都圏ネットワーク

☆独立行政法人:57組織で役員100人増 次官超す報酬も 
. [he-forum 2892] 毎日新聞11/15 .-up11/16-

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『毎日新聞』(Mainichi Interactive) 2001年11月15日付

独立行政法人:57組織で役員100人増 次官超す報酬も

 国の一部組織を分離し今年4月にスタートした57の独立行政法人の役員数
が、発足前の幹部相当職に比べ急増していることが15日、分かった。少なく
とも100を超えるポストが増え、多くは監督官庁の天下りが占めている。行
政改革の柱と位置づけられている独法化は、天下り先を増やす結果を招いてい
る。

 独立行政法人は国から「運営費交付金」が補助され、役員報酬額を含め使途
には大幅な裁量権が認められる。研究所や博物館などが独法化され、国立病院
や国立大、日本道路公団など一部特殊法人も独法化する案が出ている。

 毎日新聞は一部の独立行政法人の役員数と、移行する前の行政組織で幹部だっ
た国家公務員指定職(審議官以上)の数を比較した。指定職と独立行政法人の
役員の報酬はほぼ均衡している。

 このうち貿易取引や海外投資に対する保険業務を行う旧「貿易保険」は、経
済産業省の一組織の時は指定職がいなかったが、独立行政法人「日本貿易保険」
に変わってからは、理事長1、理事2、監事2の役員5ポストが誕生。理事長
は特許庁長官などを歴任し、現在の月額本俸は150万円。旧「通商産業研究
所」は所長だけが指定職だったが「経済産業研究所」に変わると、5人の役員
体制に。元通産審議官の理事長の本俸は約143万円となっている。

 現在、省庁トップの事務次官の本俸は約134万円。特殊法人の役員報酬は
97年12月の閣議で、事務次官より低くするよう決められたが、独立行政法
人に基準はない。

 日本貿易保険、経済産業研究所の2法人は「理事長の月額本俸は次官を超え
ているが次官には諸手当がある。年間支給総額は次官より少ない」と説明する。

 行革問題にかかわるキャリア官僚は「独法化されても業務や職員数はほとん
ど変わっていない。各法人では一般的に理事長、副理事長、監事など少なくと
も4ポストが新設されている。旧組織の指定職は90程度だから単純に100〜
150のイスが増えた形で、役員のほとんどは退職した公務員だ」と指摘する。

 天下り問題に詳しいジャーナリストの堤和馬氏は「独立行政法人が天下りの
温床となる懸念が現実化している。民間企業と競い業績を上げて役員報酬をアッ
プするなら理解できるが、発足当初から高給を保証するのはお手盛りと批判さ
れても仕方ない」と話している。

 ◆独法化移行時の指定職・役員比較の例◆

     (各法人の規則に基づいて作成)

移行前組織・指定職数 → 独立法人・役員数

国立公文書館  1   国立公文書館  4

醸造研     1   酒類総合研   4

航空宇宙技術研 2   航空宇宙技術研 5

国立博物館   4   国立博物館   6

産業安全研   1   産業安全研   4

農業者大学校  0   農業者大学校  4

通商産業研   1   経済産業研   5

貿易保険    0   日本貿易保険  5

開発土木研   2   北海道開発土木研4

国立環境研   2   国立環境研   5