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独行法反対首都圏ネットワーク

☆<射程> 充実させたい奨学金制度 
. [he-forum 2849] 熊本日日新聞11/06ーうp11・8.-

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『熊本日日新聞』射程  2001年11月6日付

 <射程> 充実させたい奨学金制度

 不況のあおりで企業などが学生、生徒に給付・貸与する奨学金の総額が激減
している。文部科学省が先日発表した統計(一九九九年度分)によると、企業
が設立した法人や地方自治体、学校などによる奨学金総額は、四年前に比べ2
5%も減った。

 一方で、奨学金を希望する学生、生徒は増え続けている。失業、倒産、借金
苦を原因とする父親の自殺増加も影響している、という。

 最も多く利用されているのが、文部科学省が関与する日本育英会の奨学金制
度だ。奨学金は、勉学を続けるための命綱。構造改革が進めば、奨学金事業か
ら撤退する団体が急増するだろう。倒産やリストラで“自殺遺児”が増えるこ
とも予想される。それゆえ、育英会の奨学金制度は一層充実させていかなけれ
ばならない。

 文科省は現在、高校生対象の奨学金制度廃止と、無利子貸与枠の縮小を検討
している。特殊法人である日本育英会は、行政改革による統廃合の対象にされ
ている。高校奨学金制度は、地方自治体に移譲する意向だとも伝えられる。

 これらの措置は政府の構造改革に配慮したものではなかろうか。教育の充実、
人材育成は、いつの時代でも重要だ。経済効率だけで、教育に要するカネを惜
しんではならない。