☆文科省、ポストドクター、助教授並み処遇――頭脳流出防止へ制度
. 『日本経済新聞』2001年11月19日付up11/28.-1
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『日本経済新聞』2001年11月19日付
文科省、ポストドクター、助教授並み処遇――頭脳流出防止へ制度
文部科学省は、博士号を取得した若手研究者(ポストドクター)を大学の助教授並みに処遇する助成制度を創設する。優れた若手を給与や研究費の面で厚遇し、世界で通じる高い水準の研究者を育てる。欧米などに流出する頭脳を日本にとどめる狙いもある。
新制度「スーパー特別研究員」は、博士課程を修了した20代後半から30代前半の研究者が対象。人文社会や自然科学などの分野は問わない。採用が決まると、3年間にわたり月額50万円の研究奨励金を支給する。研究費は別途、科学研究費補助金(科研費)に応募する必要があるが、上限額をこれまでの2倍にあたる年間300万円まで引き上げる。奨励金・研究費を合計すると最高で年900万円を支払う。
来年度に発足、初年度は12人の採用を予定。審査など制度の詳細は文科省と、新制度の窓口になる日本学術振興会が詰める。
ノーベル賞を受賞した多くの研究が20―30代に手がけた成果といわれ、創造性を発揮できるのは若いころだとされる。国内では若い研究者が十分な処遇を受けて腕を振るう機会が少なかった。現在の若手研究者を支援する制度(特別研究員制度、奨励金月額37万6000円)は採用者の7割程度を書類審査だけで決めていたが、新制度では必ず面接をし、研究成果の中間評価や、最終報告は公表を義務づけることなども検討する。