独行法反対首都圏ネットワーク |
大学改革連絡会におけるこれまでの主な意見
第1回 平成13年 8月30日 「トップ30」について意見交換
第2回 平成13年 9月21日 「トップ30」について意見交換
第3回 平成13年10月 3日 再編・統合、国立大学法人化、「トップ30」に
ついて意見交換
?.再編・統合について
○再編・統合は教育・研究の向上や経営基盤の強化のためには不可欠。
○現在の検討状況を見る限りでは、教育・研究の発展につながるのであれば、県域も越 えた再編・統合を推進すべきであり、各大学に幅広い視野での検討を促すようなメッ セージが必要。
○再編・統合により、全て総合大学化すれば良いのではなく、単科大学の良さを生かす 途もあるではないか。
○再編・統合を検討する視点は一律ではなく、各大学が何に重点を置くかということが 重要。
○法人化と関連して、公立大学や私立大学との連携や、さらには統合も検討が必要。
?.国立大学の法人化について
○法人化後の国立大学の学長は、学問上のリーダーシップのみならず、労務問題など様 々なマネジメントについてのリーダーシップを問われることとなり、いかにして適任 者を得るかが重要である。
今後は、学長のサーチ・コミッティーの役割が重要になるのではないか。
○学内投票で学長を選考するような例は諸外国にもなく、改める必要がある。
○学長の選考のみならず、学長となるべき人物をいかに育成していくかも重要ではない か。
?.「トップ30」について
【「大学(国立大学)の構造改革の方針」全体について】
○「大学の構造改革プラン」自体が唐突だとの意見もあるが、これまで、大学審議会等 で議論してきた大学の多様化などに係わるものであり、突然出てきたものではないし、 目的もはっきりしている。
【趣旨】
○「トップ30」は科研費などの研究者を対象とした競争的資金と違い、研究だけでなく、教育(高度な人材育成)を対象とすること、又、研究者を対象とするのでなく大学院博士課程の組織を対象とすることに特徴があるのであり、その点を明確にすべき。
○大学院博士課程の組織レベルの判断ではなく、大学(学長)としての判断により申請 という点を明確にすべき。その過程において大学(学長)としての戦略性、リーダー シップが問われる。
○大学トータルとしての評価により選定すべきとの意見もあるが、総合大学、単科大学、 評価は学問分野別に行うのが妥当ではないか。
○「トップ30」は大学改革を進めるうえで、他の施策とあわせて一つの刺激策として 有効。
【評価・審査】
○過去の実績だけでなく、将来の発展可能性を評価する視点も必要。
○評価は外国からみても妥当なものといえるものであることが必要。
○審査システム、審査委員会のあり方については、私立大学への配慮が必要。
○一分野での大学からの申請数は制限せず、自由に競争できるようにすべき。また、そ のためにも審査委員会の構成が大変重要。
【分野構成】
○分野構成については、概ね妥当ではないか。ただ、細分野の構成や社会科学への配慮 など、これまでの意見を踏まえ、事務局で検討されたい。
【経費の使途】
○近年、大学には色々な形で研究費が入るようになっているが、人材育成機能はまだ不 十分。この資金は人材育成にも使えるようにする必要がある。
○使途には制限を設けずに、学長の判断により、その組織を世界最高水準に育成するた め必要なものには自由に使えるように。
【その他】
○世界最高水準の大学づくりは、大学の努力だけで実現できるものではない。学長のリ して位置づけるべき。
○世界最高水準の大学「トップ30」を育成するには、長期的、計画的な視点で取り組 むべき。
○教育重点大学への支援策も別途検討が必要。
文部科学省高等教育局
国立大学の再編・統合についての基本的考え方(案) |
1.再編・統合を推進する理由
我が国が人材大国・科学技術創造立国を目指す上で、国立大学が国際競争力のある大学として活性化していくことは重要な課題。
各国立大学は、戦後、その時々の必要性にも応じて整備され、これまでそれぞれの理念、目標や伝統の下に、学術研究・人材育成、地域への貢献等の各面で我が国の発展に寄与。
しかし、新たな時代において、「競争的環境の中で個性輝く大学」として、教育や研究等をさらに発展させ、より大きな役割を果たすためには、教育研究基盤を整備して足腰を強化したり、教育研究分野の厚みや広がり、特色の強化を図ることも必要。
また、国立大学の法人化を控え、全学的視点で資源を最大限に活用した戦略的な経営を進める上で、ある程度のスケールメリットを確保することも有効。
このため、これまでの経緯にとらわれず、将来の発展を見通した国立大学の再編・統合を大胆に検討することが必要。
国立大学の再編・統合は、大学の数の削減自体を目的とするものではなく、従来の各大学の枠内では不可能であったような教育や研究等の抜本的な改革・発展と、それらを通じた社会への積極的な貢献を目指し、国民からの支持を確保しつつ、国立大学全体の再生と新たな飛躍を期するもの。
2.再編・統合を検討する際の視点の例
上記1の考え方に基づき、各大学で再編・統合を検討する際には、どのような教育上、研究上等のメリットがあるのかということが重要であり、その視点の例としては、たとえば次のようなものが考えられるところ。
? 教育研究体制の充実強化
○ 再編・統合により、各大学の機能を相互に補完・充実したり、 新たな可能性の創出を目指す視点
・教養教育等、教育面の充実のためのカリキュラムの抜本的な 見直しと、そのための体制整備
・学術研究分野の深化や再構成、新分野の開拓等、研究推進体 制の強化 等
○ 計画的な人材養成(教員養成等)への対応、高度専門職業人 の養成など、社会的要請に対応しうる優れた人材の養成機能を 強化する視点
? 地域貢献、社会貢献の機能強化
大学が知的文化拠点として、地域及び社会の発展に貢献する機能を充実強化する視点
・地域の人材養成や発展への貢献
・産業界との連携・協力の推進
・社会人のキャリアアップ 等
? 経営基盤の強化
国立大学の法人化等をにらみ、組織としてのスケールメリット を確保して経営基盤を強化する視点
・各大学の有する人的・物的資源の有効活用や戦略的再編成
・共通の教育研究組織や事務部門の簡素・合理化 等
3.再編・統合の検討の方向
(1)個性と特色ある大学づくり
2の???で例示したメリットのすべての充足を一律に追求したり、いたずらに総合大学化を目指すのではなく、それぞれの大学の教育や研究等の特色や地域の事情等に応じて、個性と特色ある大学づくりのため、多様な可能性を検討することが重要。
(2)再編・統合の形態
地理的な近接性も考慮すべき要素の一つではあるが、教育上、研究上のメリットがある場合には、県域を越えた再編・統合も大胆に検討することが必要。
また、大学単位の統合のみならず、例えば、大学間における学部レベルの機能分担の観点からの再編・統合、さらには公私立大学を含む近隣の大学間の役割分担や連携協力の強化、可能かつ適切な場合の地方移管等の検討も必要。
(3)教員養成系大学・学部
教員養成系大学・学部の在り方については、有識者による懇談会の報告書(平成13年11月取りまとめ(予定))において、活力ある大学・学部を実現し、新たな教育課題に積極的に対応するとともに特色ある教育や研究等を推進するため、近隣の複数の都道府県を単位として、教員養成大学・学部を再編・統合することが必要であるとしており、この報告を踏まえた真剣かつ早急な対応が必要。
(4)国立大学にとって実りある再編・統合
これらを通じ、教育や研究等の豊富化・高度化、新たな学問領域への展開、人材の流動化、資源の重点的投資等を可能にする、国立大学にとって実りある再編・統合を志向することが重要。
4.再編・統合の今後の進め方
(1)再編・統合の進め方の基本認識
再編・統合の目的が各大学の教育や研究等の発展と基盤強化にあることから、まず各国立大学において、各々の将来の発展という視点から、また、さらなる活性化の好機として、幅広く検討がなされることが肝要。
文部科学省は、各大学の検討を尊重しつつ、積極的に支援や助言。
その意味で、国立大学の再編・統合は、文部科学省と各国立大学のいわば「共同作業」により作りあげるもの。
(2)今後のスケジュール
今後、各大学において、この「基本的考え方」も参考に、再編・統合について更に検討が深められることを期待。
平成14年度中を目途に、各大学における検討状況を踏まえ、全体的な再編・統合の計画を策定。
なお、国立大学の再編・統合は、既に概算要求したり、統合に合意した大学が見られるように、一律にではなく、諸準備の整ったものから、段階的に、かつ、速やかに推進していくこととなるもの。
世界最高水準の大学づくり?国公私「トップ30」?について |
1.ねらい
○ 国公私「トップ30」は、国公私を通じた競争的環境の下で、活力に富み、 国際競争力のある大学づくりがねらいで、211億円を新規概算要求中。
○ ような個人やグループに対する研究助成に比べ、高度な人材育成機能も加味し た組織面への支援を目指すもの。
○ あらかじめ大学を選んだり、大学のランク付けを行うものではなく、申請に 基づき、いわばピアレビューによる審査で選定。しかも、選定の結果は固定化 せず、評価に応じて変動し得る仕組みを検討。
○ 我が国の大学全体の水準向上や活性化につながることも期待。
○ 貢献など、各大学の「個性輝く大学づくり」の努力については、別途、各種の 支援措置。また、研究面への他の支援措置等についても、充実に努力。
2.選定の仕組み
仕組みの詳細については、関係の審議会委員等で検討中であり、予算の査定状況 等に応じて変更もあり得るところ。
・分野構成
分野別に申請を受け審査。
・対象となる組織
レベルの組織(専攻等)を対象(複数の専攻等の組み合わせも可)。
・申請
としての戦略に基づき、学長から申請。
・審査
学問分野別に、有識者・専門家等による客観的で公平・公正な第三者評価 に基づき、優れた組織(大学院博士課程の専攻レベル)を選定。
・審査の視点
今後の発展の可能性等について評価。
・年次計画等
支援を5年間程度予定。2年経過後の中間評価、期間終了時の最終評価を 実施。
世界最高水準の大学づくりプログラム ─国公私「トップ30」─ |
1 趣 旨 |
(1)「大学(国立大学)の構造改革の方針」(平成13年6月)に基づき、 活力に富み、国際競争力のある国公私立大学づくりの一環として、大学 に第三者評価による競争的原理を導入し、国公私を通じた世界最高水準
の「トップ30」を育成するために、研究や高度な人材育成の面でポテ
ンシャルの高い大学に思い切った重点投資。
(2)学問分野ごとに世界最高水準を目指す組織を選定して重点育成するこ とを通じて、結果として大学トータルとしての「トップ30」を育成。
(3)これらを通じて、
?世界に誇れる教育研究組織の確立、
?研究者特に若手研究者に世界最高水準の教育研究環境を提供、
?国際社会に通用する人材育成機能の強化、
?得られた知見を社会にフィードバック
(4)あわせて、各大学の個性の明確化、我が国の大学全体の水準向上や活 性化にもつながることを期待。
2 対象機関等 |
国公私立大学の大学院の専攻(博士課程)レベルを原則としつつ、研究所 等にも配慮。
3 選定の仕組み |
(1)学問分野別に各大学の申請を受け、教育研究活動実績についての客観 的データや当該大学の将来構想等を基に評価。
(2)申請は、大学院研究科に置かれる組織としての専攻等について、各大 学長から受付。
(3)?学問分野の分け方や優先順位については、大学改革連絡会での審議
により検討。
?選定のための審査は、有識者・専門家で構成される分野ごとの審査 委員会で客観・公正・公平を旨として実施(外部意見も反映)。
(4)選定の結果は固定化せず、評価に応じて変動しうる仕組み。
4 概算要求額 |
211億円 |
「世界最高水準の大学づくりプログラム」の骨格(案) |
1 全体計画 |
(予算額の確定により変更もあり得る。) |
・学問分野を10分野に分け、第1フェイズとして、2年計画で10分野を カバー。
・ (年間1?5億円程度の支援)を選定。
・対象機関には、5年間継続して経費を配分。
(2年目に中間評価を行い、一部入替え。5年後に事後評価。6年目に入 替え。)
・ 見直しや経費の充実等を検討。
(イメージ)
1 2 3 4 5 6 7 8 9(年目)
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中間 一部 |
評価 入替 |
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中間 一部 |
評価 入替 |
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中間 一部 |
評価 入替 |
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中間 一部 |
評価 入替 |
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2 分野構成 |
○人文、社会科学から自然科学までの学問分野を下記の10分野に構成。
○分野をまたがるものについても適切な配慮。
○申請に当たっては、各大学がどの分野での審査を希望するかを申告。
・1つの申請が複数の分野にまたがることも可。
・1大学から同一分野に複数専攻等を組み合わせて申請することも、複数の申請 をすることも可。
分 野 |
細 分 野 (例示) |
生命科学 |
バイオサイエンス、生物学、医用工学・生体工学、農学、薬学等 |
医学系 |
医学、歯学、看護学、保健学等 |
数学、物理学 |
数学、物理学等 |
化学、地球科学 |
化学、地球科学等 |
情報・電気・電子 |
情報科学、電気通信工学等 |
機械・材料 |
機械工学、システム工学、材料科学、金属工学、繊維工学等 |
土木・建築、 その他工学 |
土木工学、建築工学、プロセス工学等 |
人文科学 |
文学、史学、哲学、心理学、教育学、演劇、語学、芸術等 |
社会科学 |
法学、政治学、経済学、経営学、社会学、総合政策等 |
学際・その他 |
環境科学、生活科学、エネルギー科学、国際関係等 |
※ 細分野は各分野構成のイメージのために例示しているものであり、これらに限定 する趣旨ではない。(細分野の例示もさらに検討。)
3 評価の視点 |
(1)教育研究活動実績についての客観的な評価指標
(2)当該大学の将来構想及びその実現のための計画(本経費の措置により、 どのように世界最高水準の成果を目指すのか等)
客観的な評価指標として考えられるものの例
※
研究成果の発表状況及びその水準
○ レフェリー付き雑誌等への研究論文発表数
○ 論文の被引用数
○ 専門書等の執筆数
○ 国際学会でのゲストスピーカー
○ 大学院学生の学会での発表
○ 特許取得・申請状況
所属する教員の研究水準
○ ノーベル賞、日本学士院賞等各賞の受賞者数
○ 教員の博士号取得状況
○ 教員の外国における研究歴
教員等の流動性
○ 任期制、公募制の導入状況
○ 日本学術振興会特別研究員(PD、DC)の受入状況
○ 外国人研究員の受入状況
競争的資金等の獲得状況
○ 科学研究費補助金採択状況
○ 他の競争的研究資金採択状況
産業界や地方公共団体等との連携
○ 特許の企業化の状況
○ 奨学寄付金、受託研究、共同研究受入状況
○ 教員への産業界からの受入状況
○ 地方公共団体等における政策形成への参画の状況
(審議会等への参加)
学生に対する教育の状況
○ 専攻修了者の学術研究上又は社会的活躍状況
○ 専攻修了者の外国における研究職従事状況
○ 特別研究学生の受入数
○ 学位授与状況
○ 優れた人材を養成するためのカリキュラム及び教育方法の
工夫の状況
大学全体の運営及び教育活性化の状況
○ 大学の組織運営の状況(学長のリーダーシップのもと、一体
的・機動的体制)
○ 外部評価の実施状況
○ 教育研究支援環境(図書館、IT、施設設備等)の整備状況
注)1.評価に当たっては、以下も活用。
? 大学評価・学位授与機構が調査・収集したデータ等や評価手法に関する研究
成果。
? 民間機関等が行う評価結果。
? 国内外のレフェリーによる評価や専攻修了者の意見等。
2.組織としての過去の実績のみでなく、将来の発展可能性についても評価できる
よう配慮。
3.評価基準及び評価結果は公開。
4 経費の使途 |
評価に基づいて選定された専攻等に、当該組織の計画に基づき、必要な教 育研究費や人件費、設備費などをできるだけ使途を限定せずに重点的に措置 (年度当たり1?5億円程度)。
使途として考えられるものは、例えば次のとおり。
○世界トップレベルの研究者の招へいに要する経費
・トップレベルの研究者にふさわしい処遇での招へいに配慮。
○大学院博士課程の学生の教育に必要な経費
・トップレベルの教員による指導。
・学生が自発的研究を行うに必要な経費。
○TA、RAなど、若手研究者の支援に要する経費
○世界のトップレベル大学との共同研究の実施に要する経費
○学会、シンポジウム等を企画・開催するための経費
○教育研究支援職員の雇用等に要する経費
○最先端研究を推進するために必要な設備の購入等に要する経費
・最先端設備の購入。
・大量のデータを処理するための専用コンピュータの賃借。
○教育研究スペースの確保に要する経費
・既設建物等の改修費のほか、民間の貸しビルなどのスペースの借 り上げ。
○海外の拠点設置に必要な経費
○その他、教育研究を推進するために必要な経費。
※ 選定された組織には、国立学校特別会計や私学助成など、既存の予算も 活用して支援を強化。
「トップ30」経費
1?5億円
できるだけ使途を
限定しない。
国立学校特別会計
私学助成