☆地方国立大が知的協力ネットワーク構築
200110.30 [he-forum 2783] 宮崎日日新聞10/29
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『宮崎日日新聞』2001年10月29日付
地方国立大が知的協力ネットワーク構築
宮崎大と宮崎医科大を含む二十八地方国立大学の学長は二十八日までに、地
域が直面している多くの問題について地方国立大学が共同研究を行い、活性化
を図る「国立大学地域交流ネットワーク」の構築などを主軸にした提言を発表
した。国立大学法人化をきっかけに文部科学省が大学の再編統合を進める方針
を打ち出す中、「大学の知的財産のネットワーク化で地域貢献できる。一県一
国立大学は極めて有効」と主張している。
提言は「地域社会は環境、エネルギー、食糧、健康医療、教育など多面的な
課題に直面している」として、「地方国立大学が知的協力ネットワークを築く
ことで問題解決の水準、スピード、効率性は飛躍的に高まる」と強調。
また、地域社会そのものを大学のキャンパスとみなし、大学教育研究の場を
より一層地域社会に開くことにより、地方国立大学と地方社会との間に全面的
で根本的な交流関係を築くことを掲げている。
具体的には、地域社会と国立大学との結節拠点として、各大学に「地域交流
センター」を設置。各大学の研究者総覧を作成して、データベース化すること
で全国的な共同研究に備える―などとしている。
宮崎大、宮崎医科大の両大学は、二〇〇三年十月の統合を目指して本格的な
協議に入っている。このほか、宮崎大教育文化学部は、学校教育課程の統合再
編の動きが活発化している。
宮崎大の二神光次学長は「一県一国立大学の原則にかかわらず、大幅削減す
るという国の方針に危機感を抱いている。地方国立大学の生き残りを懸けて、
スクラムを組み、存在価値をアピールしていく」、宮崎医科大の森満保学長は
「大学間のネットワーク化が進めば、効率的に地域の課題についての情報交換、
研究が可能になる。大学と地域の活性化につながる」と話している。
提言は昨年三月から、九州、四国、中部、東北地区などの学長有志が国立大
学の在り方について協議、まとめた。