裁量労働制労務管理(赤旗記事)

高等教育フォーラム 各位 
      10/24/01   
       山形大学 品川敦紀

文部科学省調査検討会議中間報告にも、教官の労働時間管理への導入が唱われている「裁 量労働制」の民間企業における実体が、一昨日からの赤旗連載記事(ホームページ)に載 っていましたので、転載してご紹介いたします。

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2001年10月24日(水)「しんぶん赤旗」告発 
無法リストラ 企業を蝕む病(3)

 ニセ裁量労働制 残業代6分の1のカラクリ
■違法是正に笑顔
 “HOPワーク(注)は法違反。勤務時間の把握を。時間外手当を支払うように”  通信機器のしにせ、沖電気工業(篠塚勝正社長)はこの夏、労働基準監督署からサービ ス残業(ただ働き)の温床となってきた、“擬似裁量労働制”「HOPワーク」を是正す るよう指導を受けました。いま見直しにむけた労資協議をすすめています。
 同社は、退社時間を把握しないこれまでの方針を改め、九月下旬から全社員を対象に出 退勤時刻を記録する新システムを導入。首都圏の事業所では、明らかになった不払い残業 分を、十二月賃金の支給で労働者に支払うとしています。  職場では、「ついにやったか!」「HOPは違法」「直すらしいよ」と話題になり、労 働者の笑顔が広がっています。
 「HOPワーク」は、会社が労働時間の管理をいっさいせず、いくら働いても月四〜 五万円程度(約二十時間分)の手当しか支払われません。導入当時、月百時間の残業をし た労働者の残業代約三十万円は、導入後、同じ残業時間でも五万円に。露骨な“ただ働き 強制システム”に、労働者のなかでは不満と怒りとあきらめが混在化していた矢先の是正 でした。
■労働者の申告で
 改善のきっかけは、職場の労働者が労基署に申告したことです。その一人は語ります。
 「職場にはただ働きがまん延しています。会社がほんとうにただ働きを是正するよう、 しっかり監視していきたい。厚生労働省通達は大きな力です。労基署は具体的データがな くても、実態を訴えたことで調査に動いてくれました。他社でももっと気軽に申告してほ しい」と。
 厚生労働省は四月、サービス残業の根絶にむけた通達をだし、「使用者に労働時間を管 理する責務がある」ことを明確にしました。沖電気のような定額払い制や、残業代の上限 枠の設定、労働者に残業時間を申告させるやり方は、サービス残業の温床になっていると 指摘。使用者が労働者の始業・終業時刻をタイムカード等で日々把握することを求めてい ます。
 先の労働者は続けます。
 「リストラとサービス残業はコインの裏表。サービス残業をなくしていけば、会社にリ ストラ計画を見直させていく力になる」(つづく)
 (注)【HOPワーク】(HOP=High Objective Perform ance)
 沖電気が九九年に導入したニセ裁量労働制の名称。月二十時間にあたる四〜五万円程度 の手当だけで、何時間働いても残業代は支払われません。会社は導入時、「時間管理」の 概念はなく、通常の勤務時間で業務を遂行できる「自己管理能力」をもつ者に適用される と説明していました。
 導入対象は、主に係長クラスでしたが、今年春から入社三年目くらいの若手社員にま で拡大しています。
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Atsunori Shinagawa, PhD Department of Biology, Faculty of Science, Yamagata University 1-4-12 Kojirakawa-Machi Yamagata 990-8560, JAPAN TEL JAPAN-23-628-4618 FAX JAPAN-23-628-4625 E-Mail: shinagaw@sci.kj.yamagata-u.ac.jp
品川敦紀 山形大学理学部生物学科生体機構講座 〒990-8560 山形市小白川町一丁目4-12 TEL 023-628-4618 FAX 023-628-4625
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☆無法リストラ 企業を蝕む病(3) 
2001.10.24 [he-forum 2743] 裁量労働制労務管理(赤旗記事).