高等教育フォーラム 読者 各位                 10/23/01                         山形大学 品川敦紀

 本フォーラムの趣旨からは多少それますが、いま政府が、大学教職員も含む国家公務員への競争主義、成果主義を進めようとしていますが、すでにそれらが何年にもわたって実施されてきているある大企業(三菱電機)で、それが、労働者の精神をむしばんでいるこ とを「赤旗」新聞が特集を組んで報道しており、興味深い記事ですので、共産党ホームペ ージにおける掲載記事から転載してご紹介いたします。
 続きがでましたら、またご紹介いたします。

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2001年10月22日(月)「しんぶん赤旗」 告発!!

 無法リストラ(1)企業を蝕む病 三菱電機 物静かな“エリート”が突然  「ガンガン! ガンガン!…」。総合電機三位の三菱電機(谷口一郎社長)のある技術 系職場で、突然、大きな音がオフィスに響きました。
 青年労働者が怒りに任せて、ロッカーをけり上げているのです。同僚たちは別に驚きも せず、パソコンにむかって仕事を続けています。
■広がる精神疾患
 彼はもともと「もの静かな人」でしたが、不仲の上司の声がきこえると、たびたび机を 力任せにたたいたり、大声を上げるようになりました。
 いわゆる「エリート」集団が勤務し、徹底した労務管理をしている大企業で異常な事態 が発生しています。同社勤務のAさんはいいます。
 「彼だけではありません。リストラで職場の人間関係がギスギスするなかで、精神疾患 が目立って増えています。日ごろおとなしい方が、寮で暴れ窓ガラスを割ったこともある んです」  同社は九八年以降のリストラで、人員削減と成果主義をいっそう徹底しました。追加リ ストラ計画「三菱電機グループの経営戦略」(今年九月発表)によると、人件費が大半を 占める「固定費」の一千億円削減目標を一年前倒しで超過達成。〇一年度末までに一万五 千人の人員削減を完了する見込みです。さらに二千二百人の人員削減を打ち出し「引き続 き人員効率化を含む構造対策を推進」するとしています。  「常に価値の高い目標にチャレンジし経営に貢献していくこと」を目的に、九八年に導 入されたのが「役割・成果レビューシート」です。年度ごとに労働者が会社に提出する目 標設定表で、賃金査定や職務格付けに活用されます。自分は会社からどんな役割を求めら れ、どんな成果をあげるのか、内容、方法、期限等を詳細に問う欄が続いています。
■際限ない成果を
 目標設定は、会社がきめた組織目標・方針、上司が期待している内容、前年度の成果達 成状況を十分踏まえたものでなければならず、労働者が自由に決められるものではありま せん。年度末が近づくと、目標に対する成果がどうであったか報告を求められ、上司から 評価が下されます。労働者をがんじがらめにし、際限なく高い成果をあげさせるためのテ コとなっています。  Aさんは顔を曇らせて語りました。
 「成果主義が強化されて、社員同士で業務ノウハウを教えない、目立つ仕事につきたが る傾向が強くなりました。当然、サービス残業も増えていますし、会社や上司に不満があ っても、病気になるまで競争せざるをえない状況に追い込まれているんです」
 労働者の精神疾患は、リストラの先頭ランナーである電機を中心に全産業で広がってい ます。
 いま大企業は、国際競争力を強化するとして、過酷なリストラ・人減らしをすすめてい ます。その陰ではリストラがうみだす病“リストラ病”が企業を蝕(むしば)んでいまし た。その実態を、労働者のたたかいを交え報告します。(つづく)

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競争主義的労務管理の結果
2001.10.23 [he-forum 2737] 競争主義的労務管理の結果10月22日(月)「しんぶん赤旗」