全国農学系学部長会議第105回会議【平成13年10月16日〜7日, 高松にて開催】
http://vert.h.chiba-u.ac.jp/kanko/buchokaigi/105_all.htm
新しい「国立大学法人」像について(中間報告)に対する意見
全国農学系学部長会議
国立大学農学系学部長会議(以下、本会議という)は、昨年および本年に開催された会議において「国立大学の法人化」に対する声明を発し、「国立大学
の法人化」を専ら業務の効率性向上という行政改革の視点から遂行されること
に異議申し立てを行ってきた。
このたび公表された上記の中間報告に対し、本会議はこれまでの経緯を踏ま
え、以下の意見を提出するものである。
1. 国立大学の法人化の目的が、国立大学の自主性・自律性を高めることを
目的とするならば、学長の選考方法および役員会等への学外者の参画方式につ
いては、各大学が個性を発揮するために、もっとも優れた実施方法を採ること
を可能にならしめるよう、一律の方式を押し付けるのではなく、各大学の自主的な選択と決定権を認めるべきである。
2. 大学の自主性・自律性は、その構成単位である部局の自主性・自律性を
保証し、構成員のエネルギーを最大限に引き出すことを可能にするネットワー
ク型の運営体制を構築することによって達成されると本会議は考える。従って、
「部局長ならびに部局の教員選考方式」については、従来通り、「部局教授会
の審議を経ること」を最終報告に明示すべきである。
3. 大学を構成する各部局の自主性・自律性は、その部局を構成する教職員・学生に対して学問の自由と自治を最大限保証することによって達成される
と本会議は考える。学問の自由を制度的に支えるものとして、現在教育公務員特例法で保障されている大学教員の身分保障と人事権についてを、公務員型、
非公務員型のいずれの場合にあっても、十分に配慮した制度を設計すべきであ
る。
4. 法人化された大学がいかに自主的・自律的な組織であるかは、各大学
がいかに個性的な中期目標と中期計画を自主的・自律的に作成することができ
るかに懸っている。本会議は、「中期目標と中期計画の両者とも、各大学が作
成し、文部科学大臣が認可する」制度を、最終報告に明示すべきであると考え
る。
5. 国立大学が、短期的には成果を予測しがたい先駆的な研究や基礎的な研究、社会的需要は少ないものの重要な学問の継承などを果たすことができた
のは、競争的経費ではなく、安定的経費に拠るものである。本会議は、法人化
された大学には、競争的観点とは別に、安定的な基盤経費が充実されることが不可欠であると考える。
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