教員採用氷河期、一気に「雪解け」

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 小学 校5割増  首都圏や関西圏の都市部を中心に小学校教員の採用数が来春、大幅に増える。全国の採 用総数は今春より約5割多い7300人になる見通しだ。子どもの数の減少に歯止めがか かり始めたことに加え、少人数指導を進めることなどが背景だ。この波は全国へ広がり、 数年後には中学校の教員採用も増加に転じそうだ。
 各地の教育委員会によると、千葉県は来春、今春より8割多い430人の小学校教員を 採用する。県教委は「再来年以降もこの傾向が続く」としており、90年代後半に70人 にまで落ち込んだ「冬の時代」から抜け出した。
 埼玉県も8割増の380人、神奈川県は6割増の370人の小学校教員を採用する単独 で募集する横浜市はここ10年で最多の400人。久しぶりの「大量採用」になり、市教 委担当者が全国各地に出向いて応募を呼びかけた。
 首都圏では、すでに今春、東京都が昨春の約2倍の850人を採用し、これが近隣県に も波及した形だ。
 関西では来春、大阪府が今春比で約3倍の550人、兵庫県も3倍の260人、京都府 が5倍の200人の採用を予定している。
 東海地区では名古屋市が今春比で約2倍の120人を採用するほか、愛知県と岐阜県が 増やす。  さらに茨城、長野、岡山、広島、愛媛、福岡、長崎県なども採用増を打ち出している。 小、中学校同一枠で募集している県も加えると、現時点で、採用を増やす県は全体 のほ ぼ8割になる。
 採用増加の理由は、教員定数を左右する児童数の減少幅が小さくなり、都市部では底を 打ちつつあるうえ、算数の授業などで少人数指導をするために教員を特別に増やす国の定 数改善計画も追い風になっている。さらに、定年を迎える教員が年々増え、早期退職制度 で辞める教員も相当数に上っている。
 定数改善計画では、少子化に伴う学級減のために本来なら減員となる教員定数をその まま維持する。この措置による「増員」分は今年度からの5年間で小、中学校などあわせ て2万6900人。これにより、主要教科で学級を2グループに分けて教えたり、小学校 低学年で2人の担任を置いたりして、少人数指導を少しずつ拡大する。
 教員採用は90年代、少子化の影響で全国で急減、20代の若手がいない学校が増えた 。特に小学校では「活気が失われた」「子どもとの距離が開いた」など教員の高齢化のマ イナス面が指摘されている。
 教委は、採用数増加を教員の年代構成を整える好機ととらえ、ある県の担当者は「少人 数指導を他県より積極的に採り入れるなどで毎年まとまった人数の採用を続けたいと話し ている。
 小学校教員の採用数は80年代初めの2万2000人をピークに減り続け、90年代に は3000人台にまで落ち込んだ。
 70年代は、東京の小学校だけで約1800人、埼玉では約1500人を採用するなど 、小学校だけで2万人を超えていた。小学生総数は過去20年間に4割近く減っているた め、今回は、「大量採用」といっても、かつてのような規模にまではならない見込みだ。 (10/15 01:38)


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☆教員採用氷河期、一気に「雪解け」 小学 校5割増 
2001 .10/14 [he-forum 2689] 教員採用氷河期、一気に「雪解け」 asahi.com