独行法反対首都圏ネットワーク


☆福井大、医科大が統合確認書 
200110.2  [he-forum 2649] 福井新聞10/0.

『福井新聞』2001年10月2日付


福井大、医科大が統合確認書


 国立大再編が加速する中、本県の福井大と福井医科大は二日、統合に向けた協議会設立の確認書を交わした。福井大の児嶋眞平学長、福井医科大の須藤正克学長は席上「統合による効果追求」「円滑な話し合い」を強調、同じ県にあっても歴史や教育方針が違う大学の統合には曲折もあるとみられるが、文部科学省の方針に沿っただけの協議ではなく、地域に根差す国立大としての存在意義を示す必要もあるといえそうだ。
 会見で児嶋学長は、統合による新たな教育研究分野の創造を探っていく考えを示した。具体的には医学系と工学系による「医療工学」、医学系と教育系による「児童・発達心理学」の大学院や独立専攻設置に前向きな姿勢を示している。「両大学の全教官の英知を傾け、実りある統合を実現したい」と繰り返した。 一方、須藤学長は「一学部しか持たない福井医科大側が特に管理運営の統合で対応が迫られるケースが多いだろう」と心境を打ち明けたうえで「細部にはこだわることなく譲るべきことは譲り、主張するべきことは主張する方針でスムーズに協議を進めたい」と意欲をみせた。
 これらの発言の背景には、他県で同じ地方大と地方単科大が統合協議を始めたにもかかわらず話し合いが難航したり、統合に合意しても単に一つの大学になっただけで効果が聞かれないケースがあるためとみられる。両学長は協議会設立に向けて学内の意思統一を最優先させ「これまで培ってきた信頼関係を重視する」と声をそろえるとともに、教育や研究開発の地元還元など地域密着型による規模拡大を探る考えを示している。
 協議会では新大学名や学長の選考法、組織の整備、重複する施設の整理、共通教育部門を中心とした遠隔授業の可能性などが話し合われる。さらに、数年後にも導入される独立行政法人化への準備も必要となる。
 また、児嶋学長は「将来、県立大との統合も視野に入れておかねばならないだろう」との考えを示した。予算の関係上、現状では不可能だが、公立大が法人化されるようなら現実味を帯びてくるといえる。

福井大、福井医科大、統合協議スタート

 文部科学省が示した国立大学の再編方針に沿って統合を検討している福井大(児嶋眞平学長)と福井医科大(須藤正克学長)は二日、福井大で統合に向けた話し合いの場となる協議会設立の確認書を交わした。九日に福井医科大で初会合を開き二〇〇三年度中の合意、〇四年春からの新大学による学生受け入れを目指す。

 両学長がこの日、確認書にサインし交換した。この後の会見で児嶋学長は「両大学の意思確認を経て統合に向けたスタートラインに立てたことをうれしく思う。教育系、工学系と医学系の教育研究機関が一つになることで、接点を拡大していけるような将来像を探りたい」と説明。須藤学長は「地域への貢献はもちろん、世界に通用するような大学づくりを追求していきたい。同時に先端医療の開発、研究、地域への提供をさらに前進させていきたい」と話した。
 協議会は両大学から学長、副学長ら九人ずつ、計十八人がメンバーとなり、福井医科大に事務局を置く。九日の初会合の後、月一回ペースで協議を続ける。十月半ばには協議会の下に▽将来計画▽管理運営体制▽教育▽入試▽事務組織−の五つの検討分科会を設置。〇二年二月ごろに統合構想プランを策定し、文部科学省の審査を受けたいとしている。

 両大学は、国立大の統合・再編について文部科学省が提示した「大学の構造改革の方針」(遠山プラン)に沿って統合への方針を固めていた。


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