国立大学協会(会長・長尾真京大学長)は1日、競争原理によって大学の再編・統合を促すとする遠山敦子文部科学相の「大学の構造改革の方針」(遠山プラン)について「大学の現場で無用の混乱を生じている」と批判する会長談話を発表した。
遠山プランは、文科省が6月に政府の経済財政諮問会議に示したが、地方の大学や小規模な大学の切り捨てにつながるとして、強い反発が出ている。談話は同プランについて「(国大協に対し)何の相談も協議もなく、文科省が一方的に作成、発表した。これまでの信頼関係を揺るがしかねない」と、手続き的な問題も指摘した。
国立大法人化に関し文科省の調査検討会議が9月27日にまとめた中間報告については、学科設置の自由化など大学の裁量を広げたことから「一定の評価ができる」としたものの、大学の自治などの観点から検討を要する点があるとした。
さらに「遠山プランが中間報告に微妙な影響を与えている」として、今月中に国大協としての意見書をまとめ、文科省に提出する考えを示した。〔共同〕
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