☆「中間報告」に対するパブリックコメント(京都大学職員組合定員外職員部会)
200110.30 京都大学職員組合定員外職員部会
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1. 氏 名:京都大学職員組合定員外職員部会部会長
渡辺 成道
2. 会社名/部署名又は学校名:京都大学医学図書館
3. 住 所: 京都市左京区吉田本町
京都大学職員組合内
4. 電話番号: 075−761−8916
5. 意 見:
新しい「国立大学法人像」について「中間報告」に対してのパブリックコメント
・・・・大学に働く定員外職員(非常勤職員)の立場から・・・・
京都大学職員組合定員外部会
「中間報告」の内容においては、現在大学内で問題となっている事や矛盾点などへ
の
解決策が全く提案されていません。大学の教育・研究・医療を支援する職員について
の
現状・実態への認識があまりにも足りないと思います。そのため今後法人化によって
単
に合理的かつ効率的な大学を追求するあまり、これまで定員削減後「必要とする職
員」
として長年恒常的な仕事を担っている定員外職員が、教育・研究・医療の現場から切
捨
てられるのではないかと危惧します。それについて、当事者である定員外職員の立場
か
ら訴えます。
私たちは、「任用中断日」が「強要」されていますが、実際には長期的に(20-
3
0数年以上)継続勤務をしている定員外職員(非常勤職員)です。教育・研究・医療
の
現場では、必要な定員すら定員削減政策(等)のために措置されないため、やむを得
ず
非常勤職員制度で「定員外」の職員を任用(雇用)しています。その結果、10次に
お
よぶ定員削減政策は必要不可欠の「人員」として多くの定員外職員を生み出してきま
し
た。現在、国立大学等では約5,000人の日々雇用職員と約16,000人の時間雇用職員が
働
いています。京大ではそれぞれ約160人、約1,200人が定員の肩代わりで勤務していま
す。大学で働く非常勤職員の大半は、いわゆる「臨時的・季節的」な非常勤職員では
あ
りません。長期的・恒常的にフルタイムで勤務をしている私たちは、当然ながら「定
員
並」の待遇改善を強く要求してきました。これまで若干の待遇改善が諮られた(認め
ら
れてきた)ものもありますが、いまなお40年前の閣議決定「定員外職員の常勤化の防
止」や「人事院規則」に拘束されて、定員同様の仕事をしているにもかかわらず、昇
給
昇格頭打ち、一時金や休暇制度、退職金制度など劣悪な労働条件のまま放置され、定
員
内職員との格差は大きくなる一方です。
空きポストを使った協議採用で「定員化」された時期もあり、かつては定員化への
道
も開けていました。1980年「定員外職員問題の抜本的解決は定員化しかない」と旧文
部
省は言明し、当面の措置として2級4号俸の頭打ち解消を実施しました。しかし、そ
の
後「問題」解決は反古にされたまま現在に至っています。
先にのべたように法人化において合理化・効率化だけを追求することのみにとらわ
れ
て、単純にアウトソ−シングや派遣職員に業務を委ねることは業務の混乱を招き、教
官・学生などへのサービス低下にもつながります。そして大学内に不安定な職員を増
や
すことによって、職場の人間関係、労働環境は更に悪化すると考えられます。
これからの「新しい大学」では、職員がこれまでのような差別的な労働条件のもと
で
働くのではなく、たとえ短時間労働にしても欧米のような「同一労働・同一賃金」の
原
則に沿った均等待遇の雇用形態を採用して、生き生きと働ける雇用不安のない職場・
制
度にしてください。
今回の法人化においては、今まで貢献してきた定員外職員の必要人員としての実態
を
鑑みて、その「存在」を認め、常勤職員として定員内職員と同様に処遇されるよう、
そ
の人件費の財源的確保と身分保障を考慮すべきです。これを契機に長らく先延ばしに
し
てきた「定員外職員」の問題解決を発展的に図ってください。