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毎日新聞 10月17日 みんなの広場

  「国立大の研究レベルの証明だ」

   大学教員 渡辺 勇一 59(新潟市)

  筑波大名誉教授の白川英樹さんに引き続き、名古屋大大学院教授の野依良治さんのノーベル賞受賞は、現在の国立大学教員にとり、特別の意味を持つ。なぜなら我が国の国立大学の研究レベルは低いとみなされ、さまざまな規制を強めることが「独立行政法人」の名で実行されようとしているからである。
  我々教員は既に、教育と研究の「理念」などに関する作文に多大な時間をかけ、また自己評価書作成のために、何度も会議を重ねてきた。法人化されれば、目標・計画は数年単位の設定となり、年次報告も文部科学省への提出が義務づけられる。
 さらに評価に応じて「運営交付金」算定が行われる。現在でも相当の評価疲れを訴える大学教員が、増大する書類や報告に追われ、研究への情熱とエネルギーを失わない保障がどこにあるのか。
 白川さんは、著書の中で、日本の研究レベルは「既に十分に高い」と断言している。今後行われようとしている国立大学の構造改革が、その高いレベルを下げる可能性は極めて高いのである。

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☆「国立大の研究レベルの証明だ」
2001.10.18 毎日新聞10/17 みんなの広場