☆ 「国公私トップ30」の全体像
2001.9.5 [reform:03694] 「国公私トップ30」の全体像
「国公私トップ30」の全体像
遠山プランの「トップ30」については、たびたびお知らせしてきましたが([reform:03676]、[reform:03678]
)、これまでの情報をまとめてみました。「トップ30」が大学なのか分野なのかという点については、河合塾シンポジウム(8月13日
[reform:03677] )において杉野剛文科省大学改革推進室長が次のように発言しています。
「 国公私各大学が申請をして、分野別に評価するということです」「問)そうすると、大学がバラバラに解体されるということか。結果として大学別になるのでは?
杉野: あくまで各大学の分野別に評価ということです。複数の分野があり、そこにでこぼこがある、ということを学長、学部長、各教員が「わかる」ことを狙っています。あくまで改革のため。
問) 残りの分野は?
杉野: 各大学で、いけそうだと思う分野に大学自身で重点化していくということはありえる。」
この発言は「トップ30」の狙いが大学の選別的育成にあるだけでなく、個別大学内で競争させ特定の分野へ整理させてゆくことを狙っていることを示しています。
(1)「大学間競争を意識させ、国際競争力を育てるのが狙い」とされる。
(2)既存の科学研究費補助金などとは全く別に事業予算を確保、初年度となる来年度は概算要求段階で422億円を見込む
(3)配分の対象は、基本的には大学院の博士課程を持つ大学とするが、研究所などにも応募の道を開く。
(4)大学院の専攻レベルを分野分けの単位とし、各分野ごとに最先端の研究や優れた教育活動について、大学院の専攻単位で「トップ30」を選ぶ。
(5)初年度の02年度は5分野を予定し、2年目から10分野に拡大する方針
(6)対象10分野は「生命科学」「医学系」「数学、物理学」「化学、地球科学」「情報・電気・電子」「機械・材料」「土木・建築、その他工学」「人文科学」「社会科学」「学際・その他」
(7)来年1月に大学に募集要項を示し、7月ごろに選考する。希望する研究分野の実績や研究データのほか、施設や人材などのどこに資金投入し、いつまでに成果をあげるかという将来戦略の提出を受ける。
(8)大学の申請に基づき、審査委員会が評価。私立大も含めた評価機関がないため、国立大が対象の大学評価・学位授与機構の手法を参考に、来年度国公立や私立も含めて大学の研究分野ごとに有識者十人あまりの審査委員会を4月に文科省に設けて研究や教育の成果を評価する制度を発足
(9)重点配分は5年間継続で、研究費や人件費、設備費など年間1億〜5億円程度を配分する(のべ約300大学に平均約2億8000万円ずつ配分)。予算の使途は限定せず、各大学の判断に任せる予定。
(10)選ばれた大学は、国立学校特別会計や私学助成などでも優遇措置を受ける。1年ごとに一部入れ替え。
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森田竜義
新潟大学教育人間科学部
新潟市五十嵐二の町8050番地
e-mail: morita@ed.niigata-u.ac.jp
TEL: 025-262-7154
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