『大阪外大新聞』2001年9月20日
赤木攻学長インタビュー 大学再編の流れの中で
全国的に国立大学の再編・統合が進む中、大外大はどのような道を進むのか。
赤木攻学長に聞いた。
▽全国的に国立大学の再編・統合が進んでいるが 現在、外大が担っている「言語・文化研究」は現代においてますます重要になってきており、大外大を存続させる基礎だ。最近、米国で起きたテロ事件などを見ても、言語を基礎に文化と文化をつなぐ外大の価値が大きいのは明らかだ。
▽国立大学の「再編・統合」を明記する、いわゆる「遠山プラン」が6月に発表されたが 遠山プランの発表後、さまざまな意味で危機感を感じる。大外大の方向性としては(1)単独存続(2)他機関との協力・連携、などがあるが、いづれにせよ大外大のためになるような道でなければならない。1+1が2ではなく、3、4になることが必要だ。私としては、単独で存続する可能性を模索しつつ、他機関との連携を深めたいと思っている。今年度からJICA(国際協力事業団)との連携講座も設置した。このように、協力・連携先は大学に限らず、関西地域に広く求めたい。
▽具体的なプランはあるか
現在行っている阪大との交流に加え、関大(大阪府吹田市)とも単位互換を始めとした交流を始めようと協議している。
▽現在、国立の単科大学の多くは、再編・統合への圧力を文部科学省から受けているとの報道があるが 大外大では、そのような圧力は受けていない。外大は約4000人の学生をもち、文系の単科大学の中では規模が大きい。また、突出してユニークな大学だということもあると思う。多くの単科大学は非常に規模が小さく、他の総合大学に
もある学問分野の場合、統合などをして事務を合理化せよという圧力があるのかもしれない。
▽『再編・統合』に関して、教職員対象のアンケートを行ったとのことだが 7月に行った。単独で存続せよという意見も多かったが、むしろ、可能性があれば、他との協力・連携を模索したほうがよいのではないかという意見のほ
うが多かった。単科大学としての限界、たとえば、社会情勢の変化についていくためには社会科学分野などを指摘する意見もあった。
▽改革を進めていくにあたり、特に留意している点は 20年、30年後を見据えたビジョンだ。今がどうのこうのというより、大外大の未来をじっくり考えたい。
【中台達也】