独行法反対首都圏ネットワーク


☆9月30日付・読売社説(1) 
2001. 9.30 [he-forum 2626] 社説 国立大法人化 緩む規制の対価は改革への重責(読売新聞)

 9月30日付・読売社説(1)

読売新聞ニュース速報

 [国立大法人化]「緩む規制の対価は改革への重責」

 独立法人になったら国立大学はどう変わるのか。文部科学省の調査検討会議が中間報告をまとめ、ある程度の輪郭が明らかになってきた。
 法人化は、元をただせば行政改革の流れから求められたものだった。しかし、自律的な教育研究を目的とする大学が行財政面からだけ議論されるのは言うまでもなく不適切だ。
 中間報告が、法人化を国立大学改革の契機ととらえているのは、その意味では当然だろう。要は、この機会に国立大学をどう活性化するかに尽きる。
 これに対する中間報告の答えは、大きく言えば、経営感覚を生かし、それを外部から厳しくチェックする仕組みを導入する、ということになる。
 経営的には文部科学省による規制が大幅に緩和され、寄付金や研究成果の外部移転などで自由に独自収入を拡大し、処分することが認められる。給与など人事制度でも能力主義が柱になる。
 個別の大学法人の裁量権は、これまでとは比較にならないほど強くなると言っていい。その分、責任は重く、困難さも増すが、これを担う経営主体については中間報告は結論を先送りした。
 いくつかの案が示されているが、少なくとも経営と教学の分離を図るべきだ。経営には相当数の学外者の参加を求め、処遇もその重責に見合った形にしなければ、狙いは達成できないだろう。
 外部チェックについては、評価機関を新たに設けるという。国立大学の評価機関としては既に大学評価・学位授与機構がある。両者がきちんと役割分担できる仕組みを考えなければならない。
 評価結果を、国から支出する運営費交付金額に反映させるのは当然だ。しかし評価基準をどの範囲でどう設定するか、あるいは反映分をどの程度にするかによって、この仕組みの成否が決まる。
 努力の足りない大学には奮起を促し、頑張っている大学はさらに世界水準にまで伸ばす。今後の議論で、そんな精度の高いシステムを目指してほしい。
 独立行政法人の一般的なあり方を定めた通則法が既に施行されている。ここでは、中期目標の期間が終了した時点で、主務大臣は、その業務を継続させる必要性なども検討するとしている。
 一方で文部科学省は、既に国立大学を大胆に再編・統合する方針を打ち出している。法人化がその重大な契機になることも否定できないだろう。
 法人化には、そうした厳しい一面があることを、国立大学関係者は思い起こさなければならない。覚悟と、改革への気構えが求められる。
[2001-09-30-08:31


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