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☆[ポイントピック]国立大学再編統合協議 宮医と宮崎、ぶつかり合う 
2001.9.30 [he-forum 2624] 毎日新聞宮崎版09/2

『毎日新聞』宮崎版 2001年9月29日付

[ポイントピック]国立大学再編統合協議 宮医と宮崎、ぶつかり合う思惑

 ◇ぶつかり合う両者の思惑−−宮医大「医学部中心に連携深める」/宮崎大「学部を基にした総合大学」

 国の大学改革方針を受け、宮崎大(二神光次学長)=写真左=と宮崎医科大(森満保学長)=同右=が再編統合へ向け協議を進めている。そのさなかの5日、森満学長が国内唯一の総合的医科大を目指す合併の私案を公表した。主導権を握られた形の宮崎大側は戸惑いを隠せない。互いの思惑がぶつかり合っている。【入江直樹】

 森満私案によると、合併後を「生命科学に特化した国内唯一の総合的医科大」と位置付けた。宮崎大が持つ(1)農学部を食資源という名称に(2)工学部は医療工学、人間工学などの研究を中心に(3)教育文化学部は乳幼児や高齢者の生活改善など多面的な研究に移行させ「生命科学」をテーマに医学部を中心に連携を深めるとした。「地方国立大学は学部が孤立した不完全型総合大学。それに医科大が統合しても、学部間に連携のない、理念なきモザイク統合になる」という危機感も表明した。

 両大学は00年末、宮崎地区国立大統合問題協議会とその下に五つの専門部会を設置し、定期的に会合を開いている。今年6月、文部科学省が「国立大数の大幅削減を目指す」とした大学の構造改革計画(遠山プラン)を受け、統合に消極的だった宮医大が8月の協議会で「合意を前提にした協議を」と方針転換していた。森満学長は「遠山プランが出て、早急にメリットある統合を考える必要があった。あくまで私案。いろんな意見を集めたい」と説明する。

 一方の宮崎大。専門部会のうち同大が幹事を務める「将来計画専門部会」で、これまでの学部を基にした学部再編統合など総合的な大学としての教育基盤整備を盛り込んだ案を作成中だった。そこへ突然の森満私案。学内で「森満学長に抗議すべきだ」の声もあったが「予定通り、専門部会で練った案を協議会で話し合う。(私案は)議論の材料としては結構だが宮崎大は受けられない」(二神学長)姿勢だ。

 宮医大の森満学長は来月にもある協議会で私案を提示したい考えだ。宮崎大の二神学長は「総合的な医大が宮崎で必要かは疑問。地元の高校生がいろいろな分野を選べる総合大学があったほうがいい」と反論する。両大学は統合に関する理念などを来月中旬までにまとめ、下旬にも統合に合意したいとしている。

 少子化の時代を迎え生き残りをかける国立大学にとって再編統合は待ったなし。全国で合意しているのは九州大と九州芸工大など6組。協議中は宮崎大と宮医大など7組となっている。


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