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☆評価次第で資金配分を増減 裁量広げ、競争促す 国立大法人化で中間報告
2001.9.27 .[he-forum 2603] 共同通信速報09/27
共同通信ニュース速報 2001年9月27日
評価次第で資金配分を増減 裁量広げ、競争促す 国立大法人化で中間報告
国立大を法人化した場合の機構・運営の骨格を検討していた文部科学省の調査検討会議は二十七日、学科設置を自由化するなど大学の裁量を拡大する一方、各大学に対する第三者機関の評価によって国からの資金配分を増減、大学間の競争を促すとする中間報告をまとめ、同省に提出した。
各大学の大胆な統合・再編を促した遠山敦子文部科学相の「遠山プラン」と合わせ、大学改革に関する国の基本的な枠組みが固まった。
いずれも各分野で、競争原理を導入することが柱となっており、教育研究環境が十分でない地方の大学や小規模な大学の関係者を中心に、なお強い反発が残っている。
法人運営による新たな国立大は二○○四年春にも誕生する見通し。
中間報告は組織運営について、学長を補佐する複数の副学長と監事などの役員に学外者を積極的に登用するよう求めた。外部の人材によって組織を活性化することを期待している。
教員には任期制や公募制を導入し、給与基準は大学が独自に決定、兼業規制も緩和する。学科以下の組織は自由に設置改廃できるようにするとした。
大学の判断で付属学校などの業務をほかの法人に行わせることも可能とする。
付属病院収入が多かった場合や剰余金は自己収入とみなし、自治体からの寄付も可能にする。収益事業は教育研究分野に限定。入学料や授業料などは国が決める範囲内で各大学が決める―などとした。
こうした規制緩和の一方、各大学の目標達成度を文科省の「国立大学評価委員会」が評価、国が大学に支払う運営費交付金の算定に反映するとした。゛査定″を厳しくすることで、横並び意識からの脱却を狙う。
中間報告で結論が出ていないのは(1)教育研究面と経営面とで意思決定機関を分離するかどうか(2)法人化後の教職員の身分を公務員とするか非公務員とするか―など。検討会議は、来春の最終報告までに結論を出すとしている。
法人化中間報告の要旨
文部科学省の検討会議中間報告要旨は次の通り。
【基本的な考え方】
法人化は大学改革の一環。各大学は個性豊かな大学として発展せねばならない。教育研究に競争原理を導入し、評価結果に基づく重点的な資源配分を徹底する。
【組織業務】
各大学ごとに法人格を付与。名称は「国立大学法人」(仮称)とし、各法人の名称は従来の名称や活動実績などを考慮。設置者の国が「国立大学法人法」(仮称)などを制定する。役員は学長、副学長(複数)、監事(二人)など。学外からも役員を積極的に登用。
運営組織は(1)経営と教学の審議を分ける(2)経営と教学を一体的に審議する―の両案を中心に検討を続ける。学科以下の組織は各大学が設置できる。
各大学の主体的判断で産官学連携を推進。業務の一部を別法人に実施させて各大学が出資できる。収益事業は教育研究業務に密接にかかわる事業に限定。学生定員は国が認可する。