日本経済新聞 2001年9月26日付 コラム『回転いす』欄記事
単科大学統廃合NO 日野自動車社長 蛇川忠暉氏
△「波乱のときこそ、専門性の高く国際的に通用するしたたかな人材が必要」と訴えるのは日野自動車の蛇川忠暉社長。米同時テロや株価低迷など日本経済が試練の場を迎える中で、文部科学省が進める国立大学改革に「工業大など単科大学を総合大学に吸収させようとする動きには反対だ」と異を唱える。
△「日本の製造業の発展は国の政策として工学系を強化したことが背景にある。文科省の政策転換は製造業の足腰を弱める」と言い切る。トヨタ自動車時代に生産部門を長く担当し、「ものづくりは一朝一夕では成り立たない」ことを知っているだけに、技術者育成の土壌が衰退していくことに危機感を抱いている。
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