島根大(松江市西川津町)で20日、会談した吉川通彦学長と、島根医科大(出雲市塩冶町)の下山誠学長が、統合に向けた協議に合意。全国で加速している国立大再編・統合が、県内でも本格的に動き始めた。両学長は03年10月に新大学を設置、04年度から1期生を受け入れたいとしている。 【濱田元子】
両学長は島根大学長室で約1時間会談し、対等な立場での統合に向けた話し合いに合意した。10月にも合意書に調印し、合同の協議機関を設置。新大学の名称や基本理念、授業カリキュラムなど具体的な検討に入る。04年に予定される国立大の独立行政法人化に備え、研究・教育の充実、事務機関の効率化により基盤強化を図るのが目的。
国立大の再編・統合について文部科学省は今年6月、経済財政諮問会議に構造改革の方針を示し、単科大の統合などによる大学の大幅な削減を挙げた。これを受け、医科大は6月、島根大は7月から、学内組織で統合の相手や可能性などを検討。距離が遠いデメリットも挙がったが、「比較的実現性が高い」(吉川学長)と双方が一致。両大で19日に教授会を開き、協議開始の学長方針を伝えた。
会談後、会見した吉川学長は「教育、研究面での基盤強化になる」とメリットを強調。また下山学長も「来るべき時が来た。バイオテクノロジーや医療心理学など学際的な知識が多いに求められている。お互いに貢献できる」と期待を語った。
島根大は1949年創立で法文など4学部、学生約5500人。島根医科大は75年創立で学生約800人。
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