独行法反対首都圏ネットワーク

 新学部創設を模索 県内3大学再編統合 
2001.9.12 [he-forum 2530] 北日本新聞09/11

『北日本新聞』2001年9月11日付

◆ 新学部創設を模索 県内3大学再編統合 

 富山大(小沢浩学長)と富山医薬大(高久晃学長)、高岡短大(蝋山昌一学長)の再編統合問題で、新学部創設の動きが活発化していることが十日、明らかになった。富山医薬大は「看護福祉」、高岡短大は「現代工芸」など、富山大は「生涯教育」などを打ち出している。三大学は「単なる足し算にしたくない」(蝋山学長)との意向で一致しており、既存学部の改組や新学部の創設が、今後具体化する協議の中で焦点になる。
 富山医薬大は医学部看護学科を発展させた「看護福祉学部」を検討し、富山大の教育、人文、経済の三学部との連携、再編を視野に入れている。十二年十一月にまとめた「二十一世紀の富山医薬大学像」でも言及。月内にも看護学科教授、医学部臨床系の教授らでワーキンググループを発足させる。
 高岡短大の構想では、新大学の研究機関として「先端大学院学群」をつくり、少数の厳選した研究者を所属させる。その下部に理系の「医薬理工科学群」、文系の「文化芸術学群」を置く。
 「文化芸術学群」は人文、社会、美術工芸の各分野を網羅する。現段階では現代工芸、地域経済、環日本海、極東言語、の四学部と教員養成の一課程を想定。人文系は富山市五福の富山大、工芸系は高岡市二上町の高岡短大にキャンパスを設置するという内容だ。
 蝋山学長が私案として公表し、六日の教職員集会で学内の了承を得た。蝋山学長は新学部設立について「三つの学群の独立性を高め、新学部で何を学ぶか目的をはっきりさせたい」と説明している。
 富山大教育学部は「生涯教育学部」への改組を目指している。八月にまとめた「教育学部新構想」でも触れている。教員養成の性格を残しながらも、社会人の再教育、大学開放事業、大学教育方法の改善などの役割を担うことが目的だ。
 理、工の両学部は各学部委員会で「理工学部」への統合を模索。工学部の龍山智栄学部長は「まだ具体的ではないが、選択肢の一つ。そういうことも考えながら検討している」と話している。
 今回の再編統合は、独立法人化に向けて大学経営のスリム化も目的の一つ。新学部設立は組織の肥大化を招く恐れがあり、学部を改組、廃止しない単純な新設は難しい。少子化による学生減もあり、実現までには曲折が予想される。


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