独行法反対首都圏ネットワーク

危惧すべき「重点4分野」への排他的な研究資金の集中 
2001.9.11 [he-forum 2528]  危惧すべき「重点4分野」への排他的な研究資金の集中

危惧すべき「重点4分野」への排他的な研究資金の集中

2001年9月11日 独行法反対首都圏ネット事務局

 9月3日,文部科学省は本年度の振興調整費の審査結果を発表した.同省のHPによると,総応募数1,120件の約10%にあたる113件が採択されたが,このうち66件は若手任期付研究員支援であり,それを除くと採択率は4.2%に落ちる.
 「先導的研究等の推進」643件の応募のうち,446件と最も応募の集中した「萌芽的研究」の採択率はさらに低く2.9%に過ぎない.これらの応募は,まずライフサイエンス,情報・通信,地球・環境,物質・材料の4つのWGに分けられ,それ以外のものはエネルギー・社会基盤等WGで審査された.最初の4WGは,小泉総理を議長とする総合科学技術会議が本年6月に決定した「重点4分野」である,ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジーとほぼ一致している.総合科学技術会議はこの分野のみに集中的に研究資源を配分する「科学技術資源配分の方針」を示しており,それに対し,
科学技術・学術審議会からきわめて異例の異議申し立て建議がなされている( [he-forum 2366] 「基礎研究忘れないで」 学術審が文科相に異例建議).
 「重点4分野」以外の数多くの分野の「萌芽的研究」テーマは,すべてエネルギー・社会基盤等WGに提案せざるを得ない構造になっている.しかし,そこで採択されたのは,社会基盤に関連する3テーマのみで,重点分野に入らない「それ以外」の日本の基礎科学は採択のチャンスすら与えられなかったことになる.
 総合科学技術会議の方針が出た後,財務省が「それ以外」の分野には研究費を付けないという通達を出した,との「うわさ」が流れたが,現実になりつつあるようである.


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