富山医薬大の教授懇談会は四日、富山市杉谷の同大で医、薬学部の教授ら約七十人が出席して開かれ、文部科学省が六月に示した「大学の構造改革の方針」(遠山プラン)を受けて、学内再編による単独存続、他の医科大との統合、富大、高岡短大との統合の三つの計画を基本に再編、統合の道を探る方針を決めた。
この日行われた同大の教授懇談会では、高久晃学長が四日までに、富大の小澤浩学長、蝋山昌一高岡短大学長と再編計画を検討していることを報告した。しかし、学内には依然として単独での大学存続を求める声も強く、さらに高久学長が他の医科大学長と統合に向けての話し合いも進めていることから、懇談会では大学再編が多面的に論議された。
富山医薬大は、海外の大学との研究協力などで高い研究成果が認められており、富大から薬学部を移転して大学を開設した経緯もあることから、富大との統合を避けたいとする声も多い。
単独存続に向けては、医療福祉系の学部を新設するなど、医療人育成機関としての新たな特色を打ち出す方針が示された。さらに、遠山プランで医科、教員養成の単科大が統合再編の対象に名指しされたことから、他の医科大との統合も視野に入れている。
富山医薬大の寺澤捷年医学部長は「選択肢は三つあり、それぞれの利点、欠点を慎重に検討したい」と教授会で論議を重ねることを明らかにした。医科大との統合はありうるが、金大、新潟大、岐阜大など隣接県の国立大の医学部との統合を否定した。
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