金大、富大、山形大での入試ミスを受け、文部科学省は四日までに、この三大学に配分する「学長裁量経費」を減額する方針を固めた。懲罰的な措置とみられ、今週中にも配分額が決定する見通し。同省では「目に見える形で(金額が)減るだろう」(高等教育局大学課)としており、例年の半額程度に抑えられる可能性もある。
学長裁量経費は学長のリーダーシップを高めることを目的に、すべての国立大に対し規模に応じて配分される予算で、今年度は総額二百十億円が計上されている。評議会などの審議を経ずに学長が使途を決めることができ、各部局の計画書に基づき教材購入や施設修繕などに使われる。
文部科学省では既に、今年度の学長裁量経費を各国立大に配分したが、入試ミスのあった金大、富大、山形大については配分を保留していた。金大では昨年度、学長裁量経費として約三億三千万円の配分を受け、図書購入や先進的な研究の推進などに使われた。
金大や富大の理学部教授によると、今年度の学長裁量経費は「金大、山形大は半額に、ミスを隠ぺいした富大はさらに大きく減額されると聞いている」としており、三大学では研究教育環境の整備に大きな影響が出るとみられる。
目次に戻る