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教育の「差異化」必要 広中平祐山口大学長
2001 .9.2 [he-forum 2473] 北信ローカル08/31
『北信ローカル』2001年8月31日付
教育の「差異化」必要 広中平祐山口大学長
第17回志賀山文庫夏季大学は25、26日、大学教授や元財界トップら6人を講師に開かれ、各講演とも大勢の聴講者が詰め掛けた。このうち、京都、ハーバード大学名誉教授で山口大学学長の広中平祐さんは「湧源のこころその6・教育とは」との演題で講演した。
広中さんは、大学の講義でも個人主義のアメリカとは違い、質問の少ない日本人の性格を「横並びの教育で『出る杭は打たれる』的な考えが強い」と分析。「良いものを失うかもしれないが、より楽しい時代が到来する」とする『差異化』をテーマに語った。
国立大学の統廃合など、遠山敦子文部科学大臣が打ち出した大学の構造改革方針“遠山プラン”について、「これまでの『ボトムアップ』から初めて『トップダウン』の指導をし、組織にメスを入れようとしている」と指摘。この中で私学、公立を含め全国に600ある大学のうち5%の30校を選び、資金を重点配分することについて、「税金をつぎ込む訳だから公的な評価の目にさらされる。差をつけることにより大学全体の意識改革にもつながる」と評価した。また、「頭のいい人間だけがという『差別』になるが、高い知識イコール成功ではない。選ばれない大学はしばられないわけだから、中には伸びる大学もでてくる」と、学長を務める山口大学が選ばれても受け入れない考えを明かした。
そして、国立大の民営化については、「(民営化を)20年先と目標を決めれば大学の意識は大きく変わる」と賛成の立場を表明。「4年後に『やめた』といってもいい。それまでに大きく意識が変わるから」などと語った。
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