国立大学協会理事会の将来構想ワーキンググループ(WG、座長・松尾稔名古屋大学長)は三十日、国立大学の統合・再編について、公立大学との合併を視野に入れることなどを盛り込んだ指針案をまとめた。
国大協が国公立大学間の統合を認めたのは初めて。国公立間の統合は過去に例がないが、早ければ二〇〇三年度中にも始まる国立大の法人化を控え、同様に法人化を検討している公立大との一体化が現実味を帯びてきた。
WGは、文部科学省が国立大の「大胆な統合・再編」などに言及した構造改革プラン(遠山プラン)を打ち出したこと受け、今年七月、理事会の下に設置。同プランにどう対応するか、検討を急いできた。
指針案では、検討の前提として(1)各大学が将来展望の中で自発的、自主的に進める(2)教育研究の基盤を強化し、新学問領域を創造するなど新たな価値を生み出す―ことなどが条件だと指摘。今後の課題として「互いに大きな利点がある場合」との条件付きながら、公立大を含めた統合・再編を認めた。
小泉純一郎首相は、国立大の民営化や地方移管を支持しているが、国以上に地方の財政状況が厳しい中で、公立大が国立大を吸収する可能性は低い。合併する場合は国立大が公立大を吸収し、その後で法人化する手順となりそうだ。
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