大学改革連H13.8.30(第1回)
国立大学の再編・統合を考える際の論点メモ(案)
1 再編・統合を進める理由
・ 人材大国・科学技術創造立国を目指す上で、国立大学が国際競争力のある大学として活性化、各国立大学の将来の発展のための教育研究基盤の強化
・ 大学の構造改革の推進と国立大学法人化等を踏まえた国立大学の教育研究の充実発展
2 統合・再編を検討する際の視点の例
@ 教養教育の幅の広がりや体制整備
A 専門教育・学術研究分野の拡大及びそれに触発された新分野の開拓
B 地理的近接性
C 人材養成(教員等)への対応
D スケール・メリットの確保(共通の教育研究組織、事務部門の簡素・合理化等)
E 地域の発展への貢献
F その他
・ 法人化とも関連して、地方公共団体や学校法人との連携も検討課題
3 統合・再編の進め方
・ 教育研究を直接担う各国立大学が幅広い観点から大胆かつ柔軟に検討することが必要
・ 各国立大学の自主的改革努力を支援
・ 文部科学省としての再編・統合指針の提示
・ これらを踏まえ、文部科学省として、具体的な再編・統合の計画を策定
・ 具体的な再編・統合は、一律にではなく段階的に推進
・ 構造改革全体の動きに対応した迅速さも必要
大学改革連絡会
H13.8.30(第1回)
平成13年8月30日
大学(国立大学)構造改革の方針に対する検討状況
1.国立大学の再編・統合
○ 各大学において、教育研究の将来の発展という視点から、再編・統合について幅広
く積極的な検討中。現在までに次の5大学が統合について合意。
統合に合意した大学
平成14年10月統合、平成15年4月学生受入予定(平成14年度概算要求)
○山梨大学と山梨医科大学
・医学・工学を中心とする学際領域への対応
・地域貢献(共同研究等に関する窓口の一本化)
・教養教育の充実、教育研究基盤の強化
○筑波大学と図書館情報大学
・情報系をはじめとする諸分野との融合による図書館情報学の異なる発展
・教養教育の充実、教育研究基盤の強化
平成15年度以降の統合を目途に検討
○九州大学と九州芸術工科大学
・工学系をはじめとする諸分野との融合による芸術工学の更なる発展
・教養教育の充実、教育研究基盤の強化
○神戸大学と神戸商船大学
・海事・海洋に関する学際領域への対応
・教養教育の充実、教育研究基盤の強化
○東京商船大学と東京水産大学
・「海」を基盤とする教育研究の発展
・教養教育の充実、教育研究基盤の強化
2.国立大学の法人化
1.経 緯
平成 9年 4月 ◎行政改革会議が、@国立大学の民営化を議論
→「民営化は不適切」と整理(「中間整理」)
10月 A国立大学の独立行政法人化を議論
12月 「最終報告」
国立大学の独立行政法人化は大学改革方策の一つの選択肢となり
得る可能性を有しているが、長期的視野に立った検討を行うべき
平成11年 4月 ◎閣議決定
国立大学の独立行政法人化については、大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討し、平成15年までに結論を得る
平成12年 5月 ◎自民党・政務調査会が提言を発表
・独立行政法人を活用して国立大学を法人化する意義は大きい。
・但し、独立行政法人通則法をそのまま適用するのは不適切。
・政府は13年度中に「国立大学法人」の具体像を整理すべき。
7月 ◎国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議発足
・組織業務委員会
・目標評価委員会 関係者・有識者で「国立
・人事制度委員会 大学法人」の具体像
・財務会計制度委員会 を検討
平成13年
秋頃 ○中間まとめ公表(→13年度中に「最終報告」)
※政府部内の調整
※与党との調整
※法案の国会提出
※移行の準備
◎「国立大学法人」に移行
3.世界最高水準の大学づくりプログラム−国公私「トップ30」−
1 趣 旨
(1)「大学(国立大学)の構造改革の方針」(平成13年6月)に基づき、活力に富み、国際競争力のある国公私立大学づくりの一環として、大学に第三者評価による競争的原理を導入し、国公私を通じた世界最高水準の「トップ30」を育成するために、研究や高度な人材育成の面でポテンシャルの高い大学に思い切った重点投資。
(2)これらを通じて、
@ 世界に誇れる教育研究組織の確立、
A 研究者特に若手研究者に世界最高水準の教育研究環境を提供、
B 国際社会に通用する人材育成機能の強化、
C 得られた知見を社会にフィードバック
2 対象機関等
国公私立大学の大学院の専攻(博士課程)レベルを原則としつつ、研究所等にも配慮。
3 選定の仕組み
(1) 学問分野別に各大学の申請を受け、教育研究活動実績についての客観的データや当該大学の将来構想等を基に評価。
(2) 評価を行うため、文部科学省に有識者・専門家で構成される審査委員会を設置。
(3) 選考の結果は固定化せず、評価に応じて変動しうる仕組み。
4 概算要求額(案) 予算額 422億円
(「構造改革特別要求」で要求。)
世界最高水準の大学づくりプログラム ―国公私トップ30− |
趣 旨
「大学(国立大学)の構造改革の方針」(平成13年6月)に基づき、活力に富み、国際競争力のある国公私立大学づくりの一環として、大学に第三者評価による競争的原理を導入し、国公私を通じた世界最高水準の「トップ30」を育成するために、研究や高度な人材育成の面でポテンシャルの高い大学に思い切った重点投資を行う。
要求額(案) 422億円
「大学の構造改革プラン」等に基づく
国際競争力のある国公私立大学づくり
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知的財産の社会還元 大学に第三者評価による競争原理を導入 優れた人材スタッフ
産学連携の推進 研究や高度な人材育成の面で による教育研究組織
ポテンシャルの高い大学に
重点的支援
トップ30
@世界に誇れる教育研究組織の確立
A研究者特に若手研究者に世界最高水準の
教育研究環境を提供
B国際社会に通用する人材育成機能の強化
C得られた知見を社会にフィードバック
世界で活躍する優れた 世界をリードする
人材の育成 最先端の研究の推進
効 果
国際競争力のある世界最高水準の大学へ
※
本施策については、「構造改革特別要求」で要求。
大学改革連絡会
H13.8.30(第1回)
「世界最高水準の大学づくりプログラム」の骨格(たたき台) (案)
1 全体計画
・ 学問分野を10分野に分け、第1フェイズとして、2年計画で10分野をカバー。
・ 初年度は5分野を対象とし、各分野30専攻程度を選定。
・ 2年間で10分野300専攻程度を選定。
・ 対象機関には、5年間継続して経費を配分。
(2年目に中間評価を行い、一部入替え。6年目に入替え。)
・ 第2フェイズでは、分野の拡大(見直し)や経費の充実を検討。
(イメージ)
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9(年目) |
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中間 一部 |
評価 入替 |
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中間 一部 |
評価 入替 |
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中間 一部 |
評価 入替 |
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中間 一部 |
評価 入替 |
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(積算)
〈初年度〉 5分野×30専攻×(平均)2.8億円=420億円 @
選定に係る事務費 2億円 A
@+A 計422億円
2 分野構成
○ 人文、社会科学から自然科学までの学問分野を垣の10分野に構成。
○
分野をまたがるものについても適切な配慮。
○
申請にあたっては、各大学がどの分野での審査を希望するかを申告。
分 野 |
細 分 野(例示) |
生命科学 |
バイオサイエンス、生物学、医用工学・生体工学、農学、薬学 等 |
医学系 |
医学、歯学、看護学、保健学 等 |
数学、物理学 |
数学、物理学 等 |
科学、地球科学 |
化学、地球科学 等 |
情報・電気・電子 |
情報科学、電気通信工学 等 |
機械・材料 |
機械工学、システム工学、材料科学、金属工学、繊維工学 等 |
土木・建築、その他工学 |
土木工学、建築工学、プロセス工学 等 |
人文科学 |
文学、史学、哲学、心理学、教育学、演劇、語学、芸術 等 |
社会科学 |
法学、政治学、経済学、社会学、総合政策 等 |
学際・その他 |
環境科学、生活科学、エネルギー科学、国際関係 等 |
※ 分野の例示はさらに検討。
3 評価の視点
(1) 教育研究活動実績についての客観的な評価指標として考えられるもの
(例)研究成果の発表状況及びその水準
○
レフェリー付き雑誌等への研究論文発表数
○
論文の被引用数
○
国際学会でのゲストスピーカー
○
大学院学生の学会での発表
○
特許取得・申請状況
所属する教員の研究水準
○
ノーベル賞、日本学士院賞等各賞の受賞者数
○
教員の博士号取得状況
○
教員の外国における研究歴
教員選考等の状況
○
任期制、公募制の導入状況
○
日本学術振興会特別研究員(PD、DC)の受入状況
○
外国人研究員の受入状況
競争的資金等の獲得状況
○
科学研究費補助金採択状況
○
他の競争的研究資金採択状況
産業界との連携
○
特許の企業化の状況
○
奨学寄付金、受託研究、共同研究受入状況
○
教員への産業界からの受入状況
学生に対する教育の状況及びその他大学改革の状況
○
専攻修了者の学術研究上又は社会的活躍状況
○
専攻修了者の外国における研究職従事状況
○
特別研究学生の受入数
○
学位授与状況
○
ファカルティ・ディベロップメント実施状況
○
外部評価の実施状況
(2) 申請大学からの将来構想及びその実現のための計画(本経費の措置により、どのように世界最高水準の成果を目指すのか等)について審査委員により評価。
(3) (1)、(2)の評価に当たっては、大学評価・学位授与機構が調査・収集したデータ等や、評価手法に関する研究成果を活用。
(1)について、内外のレフェリーによる評価や専攻修了者の意見も活用。
(4) 評価基準及び評価結果は公開。
4 経費の使途
評価に基づいて選定された専攻等に、当該組織の計画に基づき、必要な教育研究費や人件費、設備費などを重点的に措置(年度当たり1〜5億円程度)。
使途として考えられるものは、例えば次のとおり。
○
世界のトップレベル大学との共同研究の実施に要する経費。
○
学会、シンポジウム等を企画・開催するための経費。
○
世界トップレベルの研究者の招へいに要する経費。
・トップレベルの研究者にふさわしい処遇での招へいに配慮。
○
TA、RAなど、若手研究者の支援に要する経費。
○
最先端研究を推進するために必要な設備の購入等に要する経費。
・最先端設備の購入。
・大量のデータを処遇するための専用コンピュータの貸借。
○
教育研究スペースの確保に要する経費。
・既設建物等の改修費のほか、民間の貸しビルなどのスペースの借り上げ。
○
その他、教育研究を推進するために必要な経費。
※ 選定された専攻には、国公立学校特別会計や私学助成など、既存の予算も活用して支援を強化。
5 今後の手順(案)
年 月 日 |
概 要 |
備 考(予算) |
13. 8.30 9月 〜10月 10月 14. 1月 3月
4月 7月〜 |
大学改革連絡会(第1回)にて討議 大学改革連絡会にて意見集約
分野構成、評価指標、審査委員会の構成、 評価の仕組み等について検討 公募要項(案)の策定 準備委員会を発足
各大学からの申請締切 審査委員会 発足
審査、選考 財務省協議 採択専攻の決定、配分 (2年目からは作業日程の前倒しを検討) |
内閣府へ提出 内閣府において調整
財務省へ提出 財務省との折衝 12下旬 14年度政府予算編成
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