独行法反対首都圏ネットワーク

  文部省調査検討会議『中間報告(案)』の異同一覧

                                                          2001年9月9日
                              独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局


  以下は、9月6日の連絡調整委員会で出された『中間報告(案)』の主な異同を記したものである。

◆は、8月9日版から削除されたもの
◇は、9月6日版で追加されたもの

はじめに

  全体として文章の改訂

◇本調査検討会議は、昨年7月、独立行政法人制度の下で、大学の特性に配慮しつつ、国立大学等を法人化する場合の法令面や運用面での対応など制度の具体的な内容について必要な調査検討を行うことを目的として発足した。

◆作業委員に指名された者は、論点整理や具体案づくりに追われた。

I  基本的な考え方
1. 検討の前提
前提1: 「大学改革の推進」
◆法人化を契機に民間的発想の経営手法を大胆に導入するなど

前提2: 「国立大学の使命」
◆しかし、国の存立と発展において大学への期待がますます高まる中、国立大学の果たすべき使命や機能は、基本的には法人化によって大きく変化するものではない。
◇しかし、国立大学の果たすべき使命や機能は、法人化それ自体によっては大きく変化するものではない。

◆大学としての教育研究面での企画立案や運営の自主性・自律性が尊重されつつも、

◆厳しく検証
◇適正に検証

2. 検討の視点
視点1
◆いわば国を代表する大学として
◇国からの財政投入によって支えられる大学として

視点2
◆積極的な参画
◇参画

◇特に教育の受け手たる学生の立場に立った教育機能の強化が強く求められる。

II 組織業務
1. 検討の視点
視点2
◆学外者の積極的な参画による
◇学外者の参画による

視点3
◆教育研究組織等の一部を国立大学法人本体からさらに独立させ
◇教育研究組織等の一部を国立大学法人本体から独立させ

2. 制度設計の方針
(1)法人の基本
(法人の名称)
◆各法人の名称は、従来までの名称、活動実績、経緯等を考慮して検討する。
◇各法人の名称は、従来までの名称、活動実績、経緯等を考慮する。

(大学の設置者)
◆学校教育法上は国を設置者とする方向で検討する。
◇学校教育法上は国を設置者とする。

(教育研究施設)
◆本来、大学の教育研究活動と不可分な関係にあることから、大学と合わせて包括的に法人格を付与することを基本とする。
◇従来から大学の教育研究活動と不可分な関係にあるものとして位置付けられてきたことを踏まえ、大学に包括されるものとして位置付ける。

(根拠法)
◆制定する方向で検討する。
◇制定する。

(2)運営組織
(法人組織と大学組織)
◆固有の組織は設けない方向で検討する。
◇固有の組織は設けない。

(役員)
◆監事は、(中略)基本的には教育研究の個々の内容は直接の対象とせず、経営面を中心に監査を行うことが適当である。
◇監事は、(中略)基本的には各教員による教育研究の個々の内容は直接の対象としないことが適当である。

◆副学長は、学長とともに法人を代表するとともに、学長を補佐し、業務の一部を分担する。
◇副学長等の役員は、学長を補佐し、業務の一部を分担する。

◆積極的に招聘する
◇招聘する

(役員以外の運営組織)
◆自律性の大幅な拡大に対応しうる
◇裁量が大幅に拡大することに対応して、

◇経営面に関する権限と責任の所在を明確化するとともに、その権限と責任を担う組織に学外の有識者を参画させることとする。

◇○なお、運営組織の具体的な姿を検討する際の主な論点としては、(以下、大幅追加)

(事務組織)
◆大幅に見直す必要がある。
◇大幅に見直す。

(3)その他の組織
(教育研究組織)
◇大学の個性化を図るため

(4)目的業務
(業務の範囲)
◇○特に、近年、大学の教育研究の活性化や新産業の創出等への期待から、産学官連携の必要性が強く指摘されており、大学自らの総合的・戦略的な判断に基づき、産学官連携を推進することが重要である。
  このため法人化後の大学における産学官連携の在り方(リエゾン機能、TLO、インキュベーション業務、特許等知的所有権の管理など)については、各大学の主体的な判断により、事務組織の在り方等を含め弾力的・効果的な推進体制
を整備することができるようにする。

(別紙1)
(A案)
◇(A案)従来の評議会に代わり、経営・教学の両面にわたり重要事項を審議するための機関を設け、そこに相当程度の外部の有識者を参画させる案

◆学外の有識者
◇学外の有識者(非常勤)

(B案)
◇(B案)教学面に責任を負う評議会と並んで、経営面に関する重要事項を審議するための機関を設け、そこに相当程度の学外の有識者を参画させる案

◆学外の有識者
◇学外の有識者(非常勤)

◆大学の教学に対する学内の責任者(部局代表者等)で構成する。
◇部局代表者等で構成する。

(C案)
◇(C案)教学・経営の両面にわたり特定の重要事項に関し、役員会に正式の権限を与え、そこに相当程度の学外の有識者を参画させる案

◆大学運営に対する学内の責任者を基本とし、
◇部局代表者等を基本とし、

◆学外の有識者
◇学外の有識者(非常勤)

III 目標評価
1. 検討の視点
視点1
◆国の政策目標を踏まえ
◇国のグランドデザイン等を踏まえ

2. 制度設計の方針
◆(1)国の政策目標と大学の長期目標
◇(1)国のグランドデザイン等と大学の長期目標

◆(国の政策目標)
◇(国のグランドデザイン等)

(大学の長期目標)
◆国が策定する政策目標等を踏まえ、
◇国の高等教育・学術研究に係るグランドデザイン等を踏まえ、

(システム全体の基本的な考え方)
◆国による政策目標
◇国の高等教育・学術研究に係るグランドデザイン等や

(2)中期目標・中期計画等
◆国による政策目標
◇国の高等教育・学術研究に係るグランドデザイン等や

◆中期目標を策定する方向で検討する。
◇中期目標を策定する。

(中期目標・中期計画の内容)
◆国による政策目標
◇国の高等教育・学術研究に係るグランドデザイン等や

◆例えば次のようなものが考えられる。
◇次の通りとする。

(3)評価
(基本的な考え方)
◇○なお、大学における教育研究活動の評価に当たっては、計量的・外形的な基準だけでは適切に評価し難い面があることや、教育研究活動の中長期的な視点にも十分に留意すべきである。

IV 人事制度
1. 検討の視点
視点1
◆教員の多彩な活動と潜在的能力の発揮を可能とする
◇教員の多彩な活動を可能とする

◆教員の採用・昇任等は、教育公務員特例法の精神を踏まえつつ、
◇教員の採用・昇任等は、教員人事の自主性・自律性を確保しつつ、

視点3
◆・経営面の責任が加わる学長に適任者を得るため学長選考の過程に社会(学外者)の意見を反映させる仕組みを導入など
◇・国民や社会へのアカウンタビリティ等の観点から、学長選考の過程に社会(学外者)の意見を反映させる仕組みを導入など

2. 制度設計の方針
(1)身分
この項目、全面的に文章を改訂。

(2)選考・任免等
(大学における人事の自主性・自律性)
◆大学の自主性・自律性の基本は、
◇憲法上保障されている学問の自由に由来する「大学の自治」の基本は、

◆教育公務員特例法の精神、考え方を、
◇このような考え方を

◆現行の教育公務員特例法の考え方は、
◇人事の自主性・自律性の考え方は、

(学長の選考方法等)
◆いわば「知の代表者」であるとともに、
◇教育研究の拠点たる大学の代表者であるとともに、

◆学長の資質如何が
◇学長の見識・能力如何が

◇これからの国立大学が、国民や社会に対するアカウンタビリティを重視した、社会に開かれた大学を一層目指すこと、さらに、

(教員の任免等)
◆学長及び部局長がより大きな役割を果たす方向で検討すべきである。
◇学長及び部局長がより大きな役割を果たすべきである。

(教員以外の職員人事の在り方)
◆教員の秘書(アシスタント)業務を担当する職員等の役割についても配慮が必要である
◇必要に応じて、教員の秘書(アシスタント)業務を担当する職員等の役割についても配慮が必要である

(4)服務・勤務時間
(服務等の考え方)
◆共通の指針を設けることの必要性について検討する。
◇共通の指針を設けることの必要性も考慮する。

V 財務会計制度
(2)運営費交付金
(自己努力による剰余金の取り扱い)
◆各大学が、自己努力により剰余金を生じた場合には、
◇各大学が、例えば、附属病院において標準収入を上回った収入があるなど自己努力により剰余金を生じた場合には、

(3)施設整備費
◆(長期借入金)
○長期借入金は、安定的な施設整備に不可欠であるが、対象施設については、償還財源との関連もあり、現在同様、移転整備及び附属病院整備とする。

(長期借入等を行うシステムの構築)
◆長期借入金及び不用財産処分収入の調達等を行うためのシステム
◇移転整備及び附属病院整備のための長期借入や不用財産処分収入の処理等を行うためのシステム

◆○長期借入金の一括借入れ及び償還
◇○移転整備及び附属病院整備のための長期借入金の一括借入れ及び償還

(4)土地・建物等
(移行時の措置)
◇なお、現に利用に供している設備、備品等については、無償で引き継ぐものとする。

(税制上の取り扱い)
◆○現在の国立大学に対するものと同様、寄附金の全額損金扱い等の取り扱いは、これを存続させるべきである。
  また、国税及び地方税における現行の非課税法人としての取り扱いは、これを存続させるべきである。
◇○寄附金の全額損金扱いを含め、国税及び地方税における現行の非課税措置等の取り扱いは、これを存続させるべきである。
  関連して、私立大学についても寄附金や受託研究などの税制上の扱いの改善を図るべきである。

VI 大学共同利用機関
1. 検討の視点
視点2
◆このため、その制度創設の当初から、機関外部に開かれた柔軟な運営を行ってきている。したがって、法人化に当たっても、現在大学共同利用機関が有する大学や研究者コミュニティに開かれた運営体制を維持していく必要がある。
◇制度創設の当初から、機関外部に開かれた運営を行ってきたが、法人化後の大学共同利用機関の運営システムについても、大学や研究者コミュニティをはじめ、さらに広く社会に開かれた柔軟な運営体制を確保できるよう、制度を検討する必要がある。

(法人の名称)
◆個別の法人の名称は、従来までの名称、活動実績、経緯等を考慮して検討する。
◇個別の法人の名称は、従来までの名称、活動実績、経緯等を考慮する。

(根拠法)
◇法技術的な観点から、その他の方法も含めてさらに検討する。

(役員以外の運営組織)
◆現行においても外部に開かれた運営を行っており、

◆現行制度に倣って

(3)人事制度
◆機関ごとに文部科学大臣が定めることとする方向で検討するが、
◇機関ごとに文部科学大臣が定めることとするが、

(5)その他
◆適切な制度設計を検討する必要がある。
◇適切な協力関係が保たれるよう配慮する必要がある。

(機構の形態をとる大学共同利用機関について)
◇○法人化に際し、我が国の学術の一層の発展を図るという観点からさらに多数の機関が機構的な連合組織を形成することも考えられるため、法人の単位等を含め多様な制度設計の可能性について今後検討を進めていく。


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