独行法反対首都圏ネットワーク


教育充実度で『競争』促進  私大に直接助成金  文科省  概算要求に572億円
2001. 8.29 [he-forum 2443] 東京新聞08/28

『東京新聞』2001年8月28日付


  教育充実度で『競争』促進  私大に直接助成金  文科省  概算要求に572億円

  文部科学省は二十七日、研究や教育が充実している私立大に対して、来年度から競争的資金を直接補助することを決めた。二〇〇二年度予算の概算要求に五百七十二億円の経費を盛り込む。学校運営費など私大への経常費補助は、すべて日本私立学校・共済事業団を通じて行われており、同省が直接補助するのは初めて。これまで補助の大部分は教員数や定員などの応じて一律に配分されてきたが、今回は一律分を三十億円減額しており、私大助成にも競争原理の要素を強めていく。
  同省では、大学院の重点的整備▽大学教育の充実▽インターネットを使った通信教育の充実▽教養教育の充実―などに取り組む私大を選抜。事業団経由の経常費補助とは別に、同省から直接各大学に資金を出す。
  このほか、事業団経由の、情報化推進経費▽少人数教育経費▽障害者の受け入れ▽地方高等教育機関の活性化―などの補助も増額。政府開発援助(ODA)で行われていた留学生の受け入れ補助は約六億円削減されるものの、競争的資金の総額は八百八十七億円から千七十四億円への大幅に増える。
  一方で、ほぼ一律に支給される一般補助は二千二百五十五億円から二千二百二十五億円に減額。私学助成全体の要求額は二百五十七億円増の約三千四百億円となる。
  同省では、特殊法人改革で、同事業団を通じた補助の削減を迫られたため、直接補助を取り入れた。しかし、事業団を通じて補助金を配分するのは、政府が私大の運営に直接関与しないよう、緩衝帯を設ける意味もあるため、同省の関与が強まることは今後、論議を呼ぶ可能性もある。
  同省はすでに国立大学について各大学に配分する予算を一律に削減。徐々に競争的資金の配分率を高めている。来年度からは、国公私の関係なく、分野別に上位三十大学を選び、総額四百二十二億円を上乗せして配分する方針も決めている。


目次に戻る

東職ホームページに戻る