独行法反対首都圏ネットワーク

福井医科大と福大が統合検討へ
2001.8.26 [he-forum 2438] 福井新聞08/25

『福井新聞』2001年8月25日付

福井医科大と福大が統合検討へ

 文部科学省が示した国立大の統合・再編方針で対応を迫られている福井医科大(須藤正克学長)と福井大(児嶋眞平学長)は、両大学を統合する方向で検討に入ることが二十四日、分かった。福井医科大は、全国の医科大と統合する「医大連合構想」を進めていたが、実現が困難と判断、福井大と統合することで地方国立大として生き残る道を選択したとみられる。福井大の児嶋学長も統合に前向きな姿勢を示している。今秋にも両大学が統合に向けた協議会を立ち上げて準備に入り、年度内にも結論を出すとみられる。統合で合意すれば教育系、工学系、医学系の三学部からなる新国立大学が、早ければ二〇〇三年度にも誕生する。
 福井医科大は近く導入される国立大の独立行政法人化を控え昨年、全国八医科大と統合する構想を計画。須藤学長がリーダーシップを取り、各大学と協議を重ねてきた。実現すれば各大学付属病院を合わせた病床数が現在最多の東京大(約千床)を上回り、世界に通用する臨床研究機関になるとして注目を集めた。
 しかし今年六月、文部科学省が国立大の早期大幅削減を目指す「大学の構造改革の方針」(遠山プラン)を発表。統合・再編の例として教員養成系、医科など単科大を強調し、地方単科医科大と同じ地域にある地方大との統合を進めるよう働き掛けたとみられている。
 このため、医大連合構想への参加を模索していた各医科大は同プランが示されて以降、それぞれの地元国立大との統合について本格検討に入り、医大連合構想の実現が困難になった。須藤学長も「文部科学省の方針が示された時点で、構想は考え直さなければならなくなった」と話している。
 一方、教員養成系の再編が迫られる中で、福井大の教育地域科学部は将来、他の大学に吸収される可能性があり、同大も統合による規模拡大で存続する道を探ってきた。児嶋学長は「地方国立大の存続と発展のため、早い段階での統合合意に向け準備していきたい」と述べ、学内の意思統一を図るとともに、統合協議会設立を検討している。

目次に戻る

東職ホームページに戻る